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183.打ち消された言葉 ページ33

ヒュー


 ドンッ



「…杏寿郎さん?」


 杏寿郎さんは私の頬に触れようと右手を伸ばす。


 まっすぐ私を見る彼から目が離せない。


 花火の打ち上がる音よりも


 自分の鼓動が大きく感じる。






 杏寿郎さんの手がもうすぐ私の頬に触れる…

 



 というところで、彼はためらって手を引っ込めた。



「…どうかしましたか?」




 二人の静寂の間を花火の音が響き渡る。



「…いや。」



 彼はそう言うと、腕を組んでまた花火を見上げる。



「君と花火が見れて良かった。


 一生忘れることのない思い出になった。」





 花火の打ち上がる音で聞こえにくいが、


 杏寿郎さんの言ったことが何となく伝わった。



「私もですよ。今日はありがとうございます。」



 夏から秋へと変わる少し涼しげな風が



 私の頬を撫でた。






 杏寿郎さんは花火を見たまま、私に何かを告げる。





「………」







 その言葉は花火の音に打ち消されてしまい、







 はっきりと聞こえなかった。







「…何と?」





 私は杏寿郎さんの浴衣の袖を掴んで問う。





 杏寿郎さんは何故か安堵したかのような顔をして





 私の方を向くと、今度は真剣な顔をして私に言う。

















「…別れてほしい。」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 衣世さん» 苦しいですね…。書いていても辛いです泣 叫んじゃってください〜!! (2021年11月3日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 更新ありがとうございます!杏寿郎ーー!!切ない、苦しいですね(ToT)うあぁぁぁ(TдT)叫ばずにはいられません泣 (2021年11月3日 18時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - akiomiさん» はじめまして。コメント嬉しいです!ありがとうございます。溶けてしまいたいですね…笑 応援ありがとうございます!引き続きお楽しみくださいませ! (2021年11月3日 12時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
akiomi(プロフ) - 初めまして。切なくてどうしようもない気持ちになり、コメントしてしまいました!雪になって、私も溶けてしまいたい笑 続きも楽しみにしております。これからも応援しています! (2021年11月3日 11時) (レス) @page45 id: 15912deccb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - ろろろーさん» はじめまして。コメントありがとうございます!胸を締め付けるようなお話ばかりで申し訳ないです。嬉しいお言葉、ありがとうございます!更新、頑張りますね! (2021年11月3日 10時) (レス) @page45 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月23日 12時

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