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184.ぼやけた花火 ページ34

別れてほしい…?

 
 私は耳を疑った。


 どうか聞き間違いであってほしいと願った。


「…どういうことですか?」


 杏寿郎さんは目を落とす。


「そのままの意味だ。」



 私と杏寿郎さんが…?なぜ…?



「君といると辛いんだ。ただそれだけだ。

 他意はない。」



 え…?



 あんなに愛し合っていたのに…?


 あんなに言葉をくれたのに…?



「納得…できないです。」




 杏寿郎さんはまた花火を見上げる。



「…すまない。」



 視界がぼやけて歪んでいく。


 もう、杏寿郎さんはこちらを見てはくれない。



「…お気持ちは変わらないの…ですね。」



 火薬の匂いが鼻をつんとさす。


 私は泣くまいと必死に涙を堪える。



 杏寿郎さんは前を見たまま。



「変わらない。」



 きっと、今の彼に何を言っても変わらないだろう。

 
 気持ちがこちらに向いていないのに


 共にいることはお互い辛いのかもしれない…。





 納得はいかないけれど、



 このまま一緒には…






 
 いられない。






「…分かりました。」



 杏寿郎さんは一度だけこちらを向いた。




「…ありがとう。


 
 時々顔を出すが、俺は当分生家には戻らない。



 だから、君は生家にいてくれて構わないから…。」




「…はい。申し訳ないです。」




「いいんだ。俺の方こそ勝手ですまない。」





 

 二人で初めて見た花火は





 
 美しくて






 儚くて






 ぼやけていた。


 

185.夢だったかのよう→←183.打ち消された言葉



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 衣世さん» 苦しいですね…。書いていても辛いです泣 叫んじゃってください〜!! (2021年11月3日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 更新ありがとうございます!杏寿郎ーー!!切ない、苦しいですね(ToT)うあぁぁぁ(TдT)叫ばずにはいられません泣 (2021年11月3日 18時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - akiomiさん» はじめまして。コメント嬉しいです!ありがとうございます。溶けてしまいたいですね…笑 応援ありがとうございます!引き続きお楽しみくださいませ! (2021年11月3日 12時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
akiomi(プロフ) - 初めまして。切なくてどうしようもない気持ちになり、コメントしてしまいました!雪になって、私も溶けてしまいたい笑 続きも楽しみにしております。これからも応援しています! (2021年11月3日 11時) (レス) @page45 id: 15912deccb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - ろろろーさん» はじめまして。コメントありがとうございます!胸を締め付けるようなお話ばかりで申し訳ないです。嬉しいお言葉、ありがとうございます!更新、頑張りますね! (2021年11月3日 10時) (レス) @page45 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月23日 12時

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