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40.よく似た父親 ページ40

夕餉を終え、

 千寿郎くんの後ろを歩き、

 煉獄家の主人である父親の部屋の前に足を止める。


「父上、千寿郎です。先日お話ししたAさんを

 ご挨拶にお連れしました。」

「…入れ。」

 父親の言葉を合図に千寿郎くんが襖をそっと開けると、

 そこには二人によく似た男の姿があった。


 男は酒瓶を寝床の横に置き、

 部屋からは酒の匂いが漂っていた。

 こちらには背を向けたまま、横になり、

 何か書物を読んでいる。


「ご挨拶が遅くなり、大変申し訳ございません。

 昨日からお世話になっております、Aと申します。」

「…ふん、何だ杏寿郎の女か?くだらん。

 許嫁がいても他所で女を作るのか、あいつは。

 お前もやめておいた方がいい、

 いくら言ってもあいつは鬼殺隊をやめないのだ…。

 どうせ死ぬ。大したもんにはならない…

 俺もあいつも…。」


「父上…!!」


「千寿郎、お前も修行はやめろ!くだらない…」

 そう吐き捨て、男はこちらを振り返る。

 私と目が合うと、目を見開き、

 男は手に持っていた書物を畳へ落とした。


「…ご主人、

 来たばかりの私には、ご主人の抱えている想いや

 背負っているものは分かりません。

 ただ、息子さんたちのことは、

 悪く言わないでいただきたい。

 見ず知らずの私をこんなにもよくしていただいています。

 こんなにもあたたかい方々はいません。」


 畳に手をつけ、深く頭を下げる。

「しばらくお世話になります。

 屋敷の家事はできる限り致したいと思います。

 何なりとお申し付けください。」


「…俺は忠告したからな…好きにしろ。

 話が終わったならさっさと出て行け!」



「失礼します。」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - nさん» お楽しみいただけて嬉しいです!こちらこそ、読んでくださり、ありがとうございます。 (2021年10月19日 9時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
n - 凄く読んでいて楽しかったです。ありがとうございます。 (2021年10月18日 22時) (レス) id: 2858fa56d6 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 全ての作品は読めていませんが、個人的に継子の実弥さんの切なくて好きです!新作も気になるので、読ませていただきますね! (2021年10月15日 21時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 狐姫さん» あのう、大変恐縮ですが、どの実弥さんがよかったですか? (2021年10月15日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 柚葉さん» 読ませいただきました!とても素敵です!!不死川さん良いですね!! (2021年10月15日 20時) (レス) id: d8f3f4bc3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年10月13日 15時

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