九十三話 江戸時代の鬼なる者 ページ14
「鱗滝め鱗滝め鱗滝めェェエエッッ!!!」
……鱗滝。
その、師匠の名を口にされて炭治郎は思わず叫んだ。
_____何故、お前が鱗滝さんを知っている?と。
喉が痛い。それほど大きな声を出してもなお、鬼は興奮が冷めやらんといった風に。
「俺を生け捕りにしたのは鱗滝だァ!!忘れもしない47年前ェ!!」
_____また、年号が変わった。
47年前………つまり、彼は江戸時代に生け捕りにされ、今までずっとこの山に………?
「う、嘘だァ!!この山にはせいぜい2.3人しか喰ってない鬼しか居ないはずだ!!そんな昔の鬼なんて居るはずがない!!」
助けた志願者の少年が叫ぶも、鬼は変わらず笑ったまま。
そう、鬼は共喰いをする。
人間が滅多に立ち入らず、また数も少ない山に生け捕りにされた鬼に食料の安定などは無く、鬼自体の数すら少ないはず。
_____だが。
「それでも俺は生きているゥ…!」
遠回しに、彼は鬼の共喰いにすら返り討ちにする力を持っていると。
そして_____
「そうだなぁ50人は喰ったなぁ……餓鬼共を」
_____50人。
その、おびただしい数に炭治郎は無意識に刀が下がってしまった。
明らかに、数がおかしい。そんな………50人も喰った鬼なんて……
明らかな力の差、炭治郎は思考を巡らす。
目の前の鬼は、明らかに異常。
体の大きさ、喰った人間の数、そして力。
斬った二体の鬼とは比べ物にならないであろう、目の前の異様に。
「…12……13…"14"…………そして、お前で15だァ」
一本一本の手で数を作りながら、鬼はそう言った。
その数が一体何を意味するのか、炭治郎は知りたくなかった、目を逸らしたかった。
……だが、問うていた。
「なんの話だ!」
………その、問いに。
鬼はさも楽しそうに笑って。
「俺が喰った鱗滝の餓鬼共だァ。彼奴の弟子は全員喰うと決めてるのさ」
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い……!とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2020年2月1日 6時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです!主さん天才!(^o^)更新頑張って下さい! (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます!応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです!新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます!よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします! (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極暇人 | 作成日時:2020年1月14日 20時