八十二話 柱ならざる者 ページ3
類稀なる身体能力と殺傷能力(鬼に対して)を持つ彼は、鬼殺隊のトップ、産屋敷輝哉の推薦により、不死川の継子となった。
また、その出来事は萩が鬼殺隊へ入隊したった"一週間"の出来事である。
彼はその一週間という七日間で鬼を50以上殺し、また十二鬼月の一体を殺した。
その功績は、鬼殺隊の最高位である柱になる為の必須条件(普通は50体を殺すか、十二鬼月を殺すかのどちらかをこなせばなれる)であり推薦もあったが、彼は断り今こうして継子としている。
不死川とて、御館様の推薦でもあり、そんな化け物じみた奴なら稽古も楽だろうしいいかァと腹を括っていたが、現状はどうだ。
目の前に座る継子の姿に、不死川はほぼ無意識のうちにため息を吐いていた。
無論、それを彼が逃すはずなく。
「あ゛?っんだよため息なんざ。俺様が気に食わねぇって?」
「誰もそんな事言ってねェだろォ……お前本当めんどくせェなァ」
直ぐに食らいついた彼に、もう怒鳴る気も失せたとおはぎに手を伸ばす。
イラついた時は甘い物が良いとよく聞くが、不死川にはそれにワラにすがる思いですがりついた。
この馬鹿を殴って隊律違反になる前にイライラを鎮めたい、ただそれだけである。
_____お〜い!不死川いるか〜!?
_____そう、遠くに聞こえた同僚の声。
「あ゛?………この声あの派手柱か?」
おはぎを口いっぱいに頬張った萩が、玄関の方へ目を向ける。
彼が蹴り倒した障子から、薄らと"派手柱"の姿が見えた。
「派手柱はやめろォ。宇髄天元な覚えとけェ」
おはぎ二つを平らげた不死川、目の前の山が小さくなった気がしないと少し胸焼けがして、膝をつく。
「お、俺様が覚えてねぇわけねぇだろ!ちゃんと名前は覚えてらァ!」
「はいはいそうですかァ。それは凄いなァ」
「っざけんのも大概にしろよ
後ろでギャーギャー騒ぐ継子を置いて、不死川は宇髄の元へと逃げるように向かった。
今気づいたが、廊下にまでおはぎの甘い匂いが漂っている。
八十三話 とばっちりを受ける者→←八十一話 もう一人の継子なる者
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い……!とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2020年2月1日 6時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです!主さん天才!(^o^)更新頑張って下さい! (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます!応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです!新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます!よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします! (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極暇人 | 作成日時:2020年1月14日 20時