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体育館裏へ辿り着くと、

そこはすでに血の海だった。


なんとか人間の形を保っている、もはやただの肉塊が
複数、地面に横たわっている。



酷い有様だ。



その血の海の中心では目当てのそれが、

落ちている人間の1人を掴み
ペチャペチャと腹わたを貪っていた。






まだ自分に気付いていないということは
呪霊はまだ生まれたばかりのものか?


まだ1級にも満たない気がするが、
人手不足で私が派遣されたのだろうか…


いや、それよりも
他に校舎に人がいることはないか?と




瞬時に思考を巡らせるも

突然、その呪霊の背後に人影を認め

物陰に隠れたまま身構えた。



暗闇の中で、その姿ははっきりとは認識できない。


人間か?それともまた別の呪霊か?




しかしその自問自答も長くは続かず。


タイミングよく雲から顔を覗かせた
月明かりによって、すぐに答え合わせがされた。





人間の内臓を貪り続ける呪霊。
その影から現れたのは







自分と同じ年頃の、たった1人の少女だった。







しかもよりによって






夏「あの時の…」





自分が駐車場で助けた、いじめられていた少女だった。





彼女は爛々と目を輝かせながら
その呪霊の頭を撫でていた。



その姿から、

彼女はあの時の弱気者ではなく

呪いという力を手にした【悪】を選んだことを
悟った。






“傷ついた人の恨みで、また別の人が傷つく”






自分のあの時の選択は、間違っていたのだろうか。




自分の正義をかざし助けた弱気者が悪になり

多くの犠牲を出している。




ああ、とうとう正義がなんなのかわからなくなってしまった。






悔しさに、己の拳を力一杯握りしめると

私は物陰から姿を現し彼女に問うた。



夏「君は、なぜ。自分がされたことを人にした」

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作者名:アイコ | 作成日時:2020年12月31日 23時

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