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夏油side


あの出来事から1ヶ月。


どんなに悩んでいても、呪霊は待ってはくれず
日々生まれてくる呪いを断ち切る為

今日もAさんの車に乗り奔走していた。



夏「今日はまた随分走るね」

『現場が神奈川の高校だからね。ここ最近、生徒の変死が続いてるみたい。で、その原因が…』

夏「呪霊の可能性大ってことか。近年、学校での呪霊の目撃が増えているのは気のせいかな」


先日の駐車場での少女たちが頭を過ぎる。


『流石夏油くん。気のせいではないよ。子どものいじめやじさつが爆発的に増えてきてるから、それが原因とされるケースが増えてるぽい』


悲しいことにね、と彼女は眉根を下げ

着いたわよと一言、サイドブレーキを引いて告げた。



ナビをちらりと盗み見ると、

何の因果かここは1ヶ月前のあの一件の近所だった。




嫌な予感がするな…



なかなか車から降りず渋い顔をした私を

何してんだお前、とでも言いたげに
ミラー越しから見られていることに気づき


ため息をひとつ吐いて、扉を開けた。



夏「…さっきまでの話が、フリでないことを祈っててくれないかな」


付け加えるように

行ってくるよ、と礼を告げ私は正門に向かった。











敷地に入ると、ますます呪力の気配が強くなり

しかもそれに加えて、微かな鉄臭さが漂ってくる。



夏「これは…手遅れになる前に早めに探さないと」



いつもならダラダラと呪霊を探して時間を潰すのだが

血の匂い…人がいるということは

そうちんたら遊んでもいられない状況だ。




ちらりと正門の方を見ると
すでに帳を下ろし終え、タバコを取り出している
Aの姿が見える。


しかしその顔は、血の匂いに反応したのか
険しい顔をしていた。





下手したら、彼女にまで被害が及ぶかもしれない…





私は一目散に、1番濃い気配を感じる
体育館裏へと駆けた。

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作者名:アイコ | 作成日時:2020年12月31日 23時

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