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まだ仄暗い、午前4時半。


私はとあるオフィスビルの前で
停車した車の横でタバコをふかしていた。




待ち人はまだ帰ってこない。





ちらりとビルを見るが、そこに呪力はもう感じない。


…何をしているんだあいつは。








時間管理も私、補助監督の仕事の一つだ。



そろそろ彼を寮に送り届けなければ、

これを理由に明日の授業をさぼられると

私が夜蛾さんに怒られてしまう。




その未来を想像するだけで
ぶるりと身体が震える。


その考えを払拭するように、

また1本と、タバコを箱から取り出した。



しかし

それは私の口元に運ばれることはなく、




 




夏「そんなに吸っては、体に悪いよ」




 




気配なく、いつのまに隣にきたのか


待ち人の手にそれは収まっていた。




『誰かさんが全然帰ってこないからよ』



私のせいになるのか、と

肩を揺らして笑う彼【夏油傑】の手から

スッと私はタバコを取りかえすと



『早く乗って。明日の授業をさぼられちゃ困るわ』



夏油を後部座席へと押し込んだ。







 





 


時刻は、もうまもなく5時を迎える。



こんな嫌味を言っても、

きっと彼は明日の授業をサボるのだろう。



 




ああ、夜蛾さんの怒鳴り声が聞こえる…

怒られると思うと、気持ちは重くなり
深い深いため息をもらす。



バックミラーを覗くと
後部座席で機嫌よく外を眺める夏油の姿が映る。



それを見て更に気分は落ち込み


私はハンドルに項垂れると、

更に深いため息を吐いた。

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作者名:アイコ | 作成日時:2020年12月31日 23時

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