57話 ページ20
Aの出産ももうそろそろになった頃、とある場所に今度出ることになったイベントの打ち合わせに出かけていた。少し遠いのでAは坂田と留守番をさせている。
「じゃあ、少し休憩にしましょう」
進行をしていた人の一声で空気が緩み、各々部屋から出ていったり、近くの人と談笑をしていた。大御所ばかりだったが、天月もいて少しだけリラックスできた。
天月「うらたさん、ついにお父さんになるんですね〜」
うらた「ぶっちゃけ実感はないけどな」
天月「またまたぁ、育児に関する本買ったりネットで調べたりしてたって坂田から聞きましたよ?」
うらた「それは事実だけど」
姪や甥の面倒を見ることはあったが、自分の子供になると話は変わる。調べるのは当然だ。
次の瞬間、休憩だからとマナーモードを解除していたスマホがけたたましく鳴り響いた。
うらた「もしもし?どうしたんだよ、坂田」
坂田[Aちゃんが破水して病院に運ばれた!]
うらた「へ、」
坂田[陣痛もきてたっぽいし多分そのまま、]
うらた「すぐいく」
坂田[ちょ、うらさん待っ]
電話を切って、上着をを羽織り、部屋を出ていこうとしたのを天月に止められた。
うらた「………Aのところに行く」
天月「打ち合わせ終わってないですよ?どうしてもって言うならスタッフさんに相談するべきだと思います」
うらた「………………」
「あの、勝手ながら話聞いてたんですけど、奥さんのところ行ってあげてください。私も出産の時、旦那が仕事ほっぽりだしてきてくれて、すごく安心したんです。だからきっと、奥さんも浦田さんが来るのを待ってると思います」
うらた「ありがとう、ございます」
いつも通っていた病院は家の向こう側。運良く止まっていたタクシーに乗り込み、目的地まで向かった。
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ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2022年6月6日 14時) (レス) @page26 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
HIIRO - P.sタイトルは【将来の有名イラストレーターが俺の彼女になるまで。】みたいな感じはどうでしょう?(何だこれ?とか気に入られなかった場合は削除しちゃってください!) 長文失礼しました。 (2021年1月8日 23時) (レス) id: d17e3492eb (このIDを非表示/違反報告)
HIIRO - すっごい面白いです!文章の書き方の感じとかが好きです!(特にTwitter上とか)これからも作者様のペースで更新頑張ってください!(おま誰) (2021年1月8日 23時) (レス) id: d17e3492eb (このIDを非表示/違反報告)
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