夜空を眺める、君を想う。【高尾和成】

想って５ ページ5

「っだーもークソッ！」

部活中。

シュートも入らないし
あろうことかパスまでも思い通りの所へ行かない。


昼の事が原因であることは確かだけど

今の俺にはどうする事も出来ねえ。


「うっせぇな轢くぞ！」


宮地さんの声も、いまいち頭に入ってこない。

やばい。

マジで気持ち悪いかもしんねえ。


「…今日、何かおかしいぞ高尾。
もう今日は帰った方が良いんじゃないのか？」

木村さんの言葉に、「大丈夫っすよぉｗｗｗｗｗ」なんて返せるいつもの自分はいなくて

「はい…すいません。今日は帰ります。」

帰らせてもらうことにした。


俺は、アイツがいないと笑えねえのに。

いつも、校門で待ってるAは、いるわけがなく
代わりに別の人物がいた。

「…佐藤？」

「覚えててくれたんだ。」

昼、俺を呼び出した女子。

「…クラスメイトだし、覚えてんのは当然だろ？」

今、暗闇で良かったと思う。

きっと俺は



うまく笑えていないから。




【部活。】

想って６→←想って４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す