夜空を眺める、君を想う。【高尾和成】

想って２５ ページ25

チャイムが鳴ったのに気が付かず
携帯を見て授業が始まる直前なことに気が付いた。




「遅れてすんません！！」

「高尾、遅いぞ！」


教室に入ると、真っ先にAを探す。

アイツはちゃんと席にいて
少し腫れている頬が気がかりだった。


一瞬教室に笑いが漏れるけど
アイツは笑っていなかった。

一方佐藤は、Aの事を軽く見て
また少し笑っていた。

きっとさっきの女子も、佐藤の引き金なんだろう。

噂なんかに振り回されるのはアレだけど
俺の目で見た以上、全て、佐藤が起こしたことだというのは
事実なんだろう。





でも、全部を佐藤のせいにするわけにはいかない。


実際、告白をオーケーしたのは俺。

Aに想いを伝えられなかったのも俺。

だから、原因は俺にある。




ノートを見つめると
バスケの事と、Aの事ばっかり書いてあって
Aは俺にとって



バスケ以上に




大切なんだ。


そう思った。


『でも、私の事が嫌いなら＿＿＿＿＿＿＿』



「…っ好きに決まってんだろ」


ずっとずっと


言えなかった言葉。




【ノート。】

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