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猫かぶり65 ページ11

次の日、学校に向かうと
校門の前には知っている人は誰もおらず、一つの影が微かに見えた。

かなり早めに来たため、誰もいないのは当然として…

私はその影をじっと見つめた。

近づいていくにつれてその影は人の形をしてきて
どうやら男子なことは分かった。

「…A?」

「…和成?」

そこに立っていたのは、和成だった。

公立の中学の制服を着ているけど
着こなしているといった感じだ。

「なんでここにいるの?」

私が聞くと、和成は少し困ったように笑った。

「ワリィ、全部聞いたわ。」

その"全部"が何を示しているのか

それは、私と赤司の事だろう。

「昨日あの後、赤司って奴がお前の忘れ物を届けてほしい。
自分は家を知らないからって。

昨日届けに行かなかったのは、Aとゆっくり話したくてさ。」


…嘘。

赤司は、私の家を知ってる。

…赤司は、私との関係を徹底的に絶とうとしてるんだ。

「はい。」

和成が、そう言って差し出したのは
小さな箱だった。

「…これ、本当に赤司が私の忘れ物だって言ってたの?」

「ああ。」

「私のじゃない」

そう、私のじゃない。

全く見覚えがないし、そもそもこんな立派そうな箱に入ってるモノなんて
高くて私には買えない。

「…ふーん。でも同じ学校なんだろ、赤司って奴と。
だったら会って聞いてみればいいじゃんか。」

無神経なのかワザとなのか。

赤司に会う事を催促してくる和成。

「…てかさ、抱きしめて良い?」

は?
え、何、どういう事?

「いいでしょ?はい」

ぎゅうっ


ほのかに懐かしい和成の匂いがして
私も彼の背中に腕を回してぎゅっと抱き着く。

私は結局、和成の優しさに甘えてしまうんだな

そう思いながら。

猫かぶり66 赤司side→←休憩



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(プロフ) - 春さん» コメント有難う御座います!今、赤司君メインの小説をかいているので、是非そちらも見に来て下さるとうれしいです! (2015年12月27日 11時) (レス) id: dd34a07aa1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - うま!! (2015年12月26日 23時) (レス) id: 2227909361 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ホットケーキ♪さん» コメント有難うございます!これからも頑張ります!! (2015年10月10日 17時) (レス) id: dd34a07aa1 (このIDを非表示/違反報告)
ホットケーキ♪ - この作品を見て泣いちゃいました!(ω)ずっと伝えられない気持ちを言うってすごくいいと思いました。これからも頑張ってください!応援しています! (2015年9月27日 11時) (レス) id: 8d5a6959fd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 白猫さん» そんで、プレゼントの中の手紙を夢主が読んで…というのが一番最初に考えたストーリーだったんですけど、結局泣く泣くカットです…   機会があれば、クリスマスパーティー、書こうと思います。 (2015年2月17日 20時) (レス) id: dd34a07aa1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2014年12月23日 14時

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