クリスマスの夜に8 ページ8
「__…い、A!」
「…んぁ?」
「随分苦しそうに寝ていたけど、大丈夫か?」
目を開けると、心配そうに私を見つめる赤髪美青年が。
「…大丈夫だよ。あの日の夢、見てた。」
あの日、というのは3年前のクリスマス。
5日前の征の誕生日は征に会えないし、
クリスマスも1時間以上待たされたっけ。
でも、ツリーの点灯と同時に彼が現れた時には
いっつもいい場面で登場して、ずるいって思ったなぁ。
で、その後謝られて
指輪を渡されて…プロポーズされて。
泣きながら笑って、「よろしくお願いします」って言ったっけ。
なんか随分前の事に感じられるなぁ。
結局征は、自分の誕生日を忘れて指輪を買いに回っていたらしい事を
後から聞いて力が抜けた。
…にしても、そんな夢を見るなんて
「それで?大好きって、誰に言ったのかなぁ」
ニッと笑いながら、聞いてくる。
確信犯…
「征の事に決まってるじゃん」
私はいつもの事に、動じずに返す。
「…合格。」
征の顔が近づいてきて、距離はもう0cm。
唇を離して彼の胸に顔をうずめる。
「フッ今日は随分甘えたがりだね?」
「…征、誕生日
おめでとう。」
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作者名:裕 | 作成日時:2014年12月20日 10時