なんか猫被ってたら面倒臭いことになったんだけど。【赤司征十郎】

猫かぶり５ ページ5

私の席は、窓側から二番目。

いつもは廊下側なんだけど、５０音順で窓際から座らせられた結果だ。

まあ、窓際は好きだからいいけども。

難点は眠くなること。
ただそれだけだからな。

ちなみに、一番前は、藍川という奴。
赤司よりも前だ。

もちろん赤司は私の隣で、私も前から二番目ということになる。

これじゃあ、眠れやしない。

最初はそう思っていた。

…が。

「…らぎ、桜木！この問題を解いてみろ。」

どうやら寝てしまったようだ。
数学の時間に。

数学教師は厳しいと評判で、寝ている生徒に問題を当て、
解けなかったら…まあ、いろいろあるらしい。

私はとりあえず黒板に歩み寄り、数式を読む。

やっべ、簡単だわｗ


「はい、書きました」

私はすぐに書き終えると、微笑んで席に戻った。
横では赤司がこちらを見て、いたずらっ子のように笑った。

「せ、正解。」

当たり前だ。

皆の歓喜の視線を浴びながら、数学の時間が終わった。

すぐに、周りに群がってくるクラスメイト。

「すごかったな！」

「良かったね！あの先生、厳しいって評判だから！」

「すげえな、頭もいいんだ！」

私は全員に対して

「有難う。」

そう返すと、席を立つ。

何故なら、次は昼休み。
飯の時間だ。

ルンルンで歩き出そうとしたとき

後ろから声がした。



「待ってくれ。」

猫かぶり６→←猫かぶり４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す