なんか猫被ってたら面倒臭いことになったんだけど。【赤司征十郎】

猫かぶり２１ ページ22

待ち合わせ場所に向かうと、浴衣を着た人が沢山いた。

何故か視線を感じる気がするが
気のせいだろう。

待ち合わせ場所のコンビニに着くと
赤司はもう来ていて、腕を組んで壁に寄りかかっていた。

「赤司。」

私が声をかけると、
赤司は驚いたように目をわずかに見開いたあと
少し微笑んだ。

「Aか。気が付かなかったよ。
凄く似合ってるよ。」

赤司の浴衣は白地に登り竜の描かれたもので
隙間から覗く鎖骨や筋肉のついた腕に
少なからずドキッとした。

何故、ドキッとしたのだろう。
鼓動が早くなるのだろう。


そんなこと、その時に考える余裕など全く無かった。


「え･・･と、赤司も似合ってるよ？カッコいい」

赤司は手の甲で口元を隠すような素振りをし、
目を泳がせた。

私、なにか変なこと言っただろうか？

「と、とりあえず行こうか。」

いつも通りに戻った赤司を見て
私は思い切り楽しむことを決めた。

こうみえて、お祭り実は結構好きなんだよね。

猫かぶり２２→←猫かぶり２０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す