よろしい、ならば退散で(笑) 【鬼滅の刃】

肆拾伍 ページ45

そして十日後
私の元にひょっとこのお面を付けた不思議な人が訪れてきた
話によると私の担当刀鍛冶になった人らしい
血なまぐさい家に上がらせたらちょっとオドオドしてた、ごめんなさい

それとこの人
人の話を全く聞かない
淡々と刀鍛冶の事を話したり、日輪刀はどのように造られるのかなどをかれこれ二時間ぶっ続けで話してる
正直疲れた


世鋼原「俺は月陽Aの刀を打った世鋼原という者だ、それでこれがその刀」

「よはがねはら… 凄い名前ですね、でもこの会話もう三回目です」

世鋼原「うるせぇ、早く刀を抜けっ！赤い刀身が見たい！いや、黒でもいいな！雷と水は見た事あるからそれ以外のだっ！」

「うるさいです！！ちょっと落ち着け！何歳ですか貴方！？！」

世鋼原「三十だっ！！」

「嘘だ！！」

世鋼原「心外！！」

「まあ…、とりあえず抜きますね」


日輪刀を鞘から抜き出し 上に向ける
すると、ズズズって効果音が付きそうな感じで色が出てくる
まるで水に絵の具を入れた時みたいに
じわじわと色がつく

刀先まで色がつくと世鋼原さんはお面を付けていても分かるぐらいに興奮して湯気が出ている
そんなに珍しいのかな

真っ白の、いや 鏡みたいな刀って



世鋼原「あ、ああっ！ こんな美しい色！卯の花色なんてっ！見た事ねェ！！ありがとう！お前最高だ！」

「凄い語彙力無くなってますね」

世鋼原「…まて！！ちょっと日の光に当ててみろ」

「はぁ、」


世鋼原さんに言われるがまま
家の外に出て刀を日の光に当てる

「おぉー」

思わず声が出てしまうほど綺麗に日の光を反射してキラキラとしていた
角度を変えると色んな色に変わって虹色みたいになっていた


世鋼原「うぅぅぅう！！ありがとう！！もう人生に悔いはねェ！」

「生きてください」

世鋼原「死ぬとは言ってない！」


それから世鋼原さんに何度もお礼を言われ、一応おにぎりを持たせて別れた
世鋼原さんを見送った後 私はもう一度と刀を抜き、じっくりと眺めた

嗚呼、綺麗だ

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