嘘つき達の傍観者

幼馴染はいつまでも(番外編) ページ13

鬼龍紅郎 誕生日 番外編
(本編と全く関係ありません)









いつからだろう

君とあまり話さなくなったのは

君が悲しそうな顔をするのは

君が笑わなくなったのは

君が僕から離れたのは

君が強がる様になったのは

君が



君が…









いつからだろう

あいつがあまり話さなくなったのは

あいつが悲しそうにし始めたのは

あいつがひねくれたのは

あいつが俺から離れたのは

あいつが強くなったのは

あいつが



あいつが…









いつの時代でも幼馴染はめんどくさい
そう思ったのにも理由がある

彼…

そう守沢千秋は見たのだ
斎宮宗が小さな小包を愛しそうに抱えてるのを

幼馴染というのは大抵素直になれずすれ違いを繰り返し、また分かち合う
非常にめんどくさい関係である
何度も言うがめんどくさい関係である


守沢は時計を見てため息をつく
橙色に染まる教室がその時刻を示す

守沢は鬼龍紅郎が朝からそわそわと落ち着きがないのを察していた
3年生で鬼龍の誕生日会をした時斎宮は参加していなかった

そう斎宮が参加しなかったのだ


鬼龍の機嫌？は治らないまま誕生日会が始まった


プレゼントを貰うたび嬉しそうな顔をするがすぐに切なそうにする
守沢は胸が痛くなった




守沢は羨ましかったのだ
幼馴染という存在が関係が

ひとりっ子で幼馴染もいない
だからこそ応援したくなった









彼は彼の背中を押しに行く









守沢「斎宮！！」

斎宮「声がでかいのだよ」

守沢「…行かないのか？」

斎宮「！！」

守沢「もっと自分に正直になれ！」

斎宮「ノン…君に言われる筋合いはないね」

守沢「ほらほら恥ずかしがるな☆」

斎宮「守沢」

守沢「ん？なんだ？？」

斎宮「…ありがとう」

守沢「！！あぁ」







ヒーローはヒーローになれたのだ
少なくとも斎宮宗のヒーローには






守沢「いいな…」



そんなヒーローの言葉など聞こえる筈もない
孤独だが孤独じゃない

曖昧ヒーロー









斎宮は歩いた

鬼龍の所へ









鬼龍「いっち…斎宮」

斎宮「りゅ…鬼龍」



鬼龍は聞きたい事が沢山あったが何も言わなかった


斎宮「誕生日…おめでとう」


その言葉で今までの事なんてどうでも良くなった



鬼龍「ありがとう…」



プレゼントを貰った彼は今日1番の笑顔を見せたと言う




幼馴染は本当にめんどくさい

だからこそ輝いている







ん？私？
フフフ…ただの語り手ですよ
貴方に夢を見せた語り手です☆


END

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