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それからまた数日が経っていた。また転校生がやってきた、らしい。

アメリカからの帰国子女だとクラスでも早速話題になって女子だちが騒ぎ立てている。あまり囃し立てる気にもなれず廊下の方をなんと無しに眺めると、不意に教室の向こうの窓を茶髪が横切った。



ーーーーフィディオ!?



驚いて思わずがたりと席を立つ。前で読書をしていた豪炎寺や近くのクラスメイトが吃驚してこちらを向いたのを気にも止めず、慌てて教室を出てシルエットを追いかけた。

目当ての生徒は果たして…いた。土門と楽しそうに話しながら廊下を歩き、やがて教室へと入っていく。茶髪を横に流している茶色の目をした男の子。見た目は生粋の日本人だ。フィディオでは…ない。



なんだ、見間違いか。どくどくと跳ね上がっていた鼓動が落ち着くのを感じる。
フィディオが追いかけてここまでやってきたのかと思ってしまった。今はイタリアもフットボールフロンティアの途中だからそんなことあるわけがないのに。



落ち着こうと深呼吸をしたら、そっと肩に手を置かれた。
横にはいつの間にか豪炎寺が立っており、心配そうに私の様子を伺っていた。



「A、大丈夫か?」
「豪炎寺……、うん、ちょっと知り合いに似てるなと思って…」



そう言うと豪炎寺は、そうか、と安心したように笑みを浮かべ、男の子が過ぎ去った方を見ていた。



「一之瀬を見ていたのか?」



一之瀬?突然出て来た名前に首を傾げ、オウム返しのようにその名前を繰り返した。
豪炎寺は彼を知っているようで、すらすらと教えてくれる。だがフルネームを聞いて驚愕してしまった。



「今日転校して来た奴だ。一之瀬一哉。アメリカに居たらしいが、円堂と意気投合してこっちでサッカーしたくなったといってーーーー」



「い……、一之瀬一哉ぁ!?」



有名人じゃないか!!!
豪炎寺の言葉を遮り、思わず叫んだ。今度はクラスがしんと静まり私を見る。まずい、大き過ぎた。「ご、ごめん何でもない……」小声で言うと恥ずかしくなって豪炎寺の服を少し掴み、早歩きで自分の席に戻った。
おいおい、とか、大丈夫かよ、とか笑い声がいくつか聞こえ、次第に元のクラスの空気に戻っていく。あたたかいクラスで助かった。

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彩夏(プロフ) - Aoiさん» 大変かと思いますが応援しています! (2022年9月11日 10時) (レス) @page24 id: 67c757144e (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - 彩夏さん» 彩夏さま コメントありがとうございます。とても嬉しいです。本当にいよいよというところで、私も楽しみですしわくわくしています……。お待ちいただきありがとうございます。どうぞお楽しみにお待ちください。 (2022年9月11日 0時) (レス) id: f51011eb5a (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - いよいよですね!展開が楽しみです! (2022年9月10日 23時) (レス) id: 67c757144e (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - ヒマリさん» ヒマリさま 長い間ご覧いただき、そして応援してくださり、本当にありがとうございます。拙い文章ですがお楽しみいただけたら幸いです。随時更新していきますので、どうぞお楽しみにお待ちくださいませ。 (2022年7月15日 20時) (レス) id: 0783a9abb5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒマリ(プロフ) - 続編おめでとうございます。ずっと前から応援していた作品なのでとても嬉しいです。これからゆっくり読み直しにいこうと思います。これからも応援していますので、作者様のペースで更新して頂けますと幸いです。 (2022年7月15日 20時) (レス) id: ba87716a36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Aoi | 作者ホームページ:http://nanos.jp/aika398/  
作成日時:2022年7月3日 2時

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