prologue ページ1
───────彼女は“異能力”で危機を察知し彼の元へ足を運ぶ。
が、そこには彼の他にもう1人倒れていた。
恐らく、戦闘相手はこの人なんだろう。
「作!! しっかりしてください!!」
迷わず、彼の傍に駆け寄り抱き抱えると作と呼ばれた彼はうっすら目を開け何やら嬉しそうに微笑んだ。
「俺は今幸せだ……惚れた女にこうして「もう喋らないでください」そんな顔するな…俺は最後くらいお前の笑顔を見たい」
涙をぐっと堪えて、無理やり笑顔を作ると満足げに口角を上げていた。全く…こんな時に笑えとなんと無茶な。
「お前の────は……だろう? 最初から勘づいていてはいたがまさか本当だったとは…」
「だったら何故、…何故私の事を? 裏切り者なんですよ?」
「それは…本気でお前の事が────…言わせんな…これを聞いたらあいつどんな顔するんだろうな…俺も抜け出して小説家になりたかったんだんだ…」
良く喋る相手の血を必死に止めるも何か策がないか考える。すると、一つの案が浮かび上がった。
「福翁じで…「やめろ」でも!!」
そして、とうとう笑うどころか涙が溢れ止まらなかった。彼の気持ちに気づいた今、彼女なりの救済方法だった。
「私も、作の事が「もういい…分かってる 無理するな…その言葉は本命に取っておけ」作……」
「最後くらい楽に死なせてくれ…それとお前の事嫌いじゃない……太宰を頼んだ」
最後の言葉と同時に手が力なく落ちる。すると今にも泣きそうだった表情から感情が消え、そっと身体を寝せると目に焼き付ける。
そして、下唇を噛み締め身を翻しその場をあとにした。
この出来事は太宰 治が彼を見つける数分前にあった出来事である。それから数ヶ月後──────ポートマフィアから西野 沙耶という名前が消えたのだった。
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杏仁豆腐@スガエル(プロフ) - ルチアさん» すみません、たった今気づきました( ˙-˙ )励みになります。嬉しきお言葉!ありがとうございます (2018年2月6日 13時) (レス) id: 0a35bafc5f (このIDを非表示/違反報告)
ルチア(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2017年8月2日 5時) (レス) id: 0f75b247de (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐@スガエル(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!!!励みになります! (2017年7月23日 14時) (レス) id: 0a35bafc5f (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - とても面白かったです! 更新頑張ってくださいね! (2017年7月23日 14時) (レス) id: fb8453ace7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:杏仁豆腐@スガエル | 作成日時:2017年6月19日 22時