検索窓
今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:14,888 hit

第165話 ページ20

それにゆっくりと腰をおろしてテーブルを挟み千怒を見る。



「お前が呪力を練れなくなった理由.....それは呪力を失ったワケでも陰陽師の呪力の源″呪護者″が消えてしまったワケでもない.......そもそも、お前たち双星の陰陽師には呪護者はいない」

「......!?そっ......そんな筈は.....ない。少なくともろくろはちゃんと見極めの儀を行って......その時」

「それはそういう風に見えただけじゃ」



千怒は、懐中電灯やテレビのリモコンなどを取り出しテーブルの上に置いた。



「これが普通の陰陽師じゃ」

「?」

「そしてこれが呪力」



リモコンや懐中電灯から電池をとり、手のひらに乗せて紅緒に見せる。



「生まれ持った力をどこまで発揮できるかは当人の努力次第じゃがほとんどの場合その最大値は決まっておる.......対して、お前たち双星はこれじゃ」



両手に壊れたスマホと携帯電話を紅緒に見せながら話し始めた。



「外から呪力を得ることで他の陰陽師と同じように戦ってこれた」

「い......意味.....がわからない......呪力を......受信?している......?ど......どこから!?」

「当然、世に遺る呪護者たちからじゃ。呪護者だけに限らずあらゆる次元に存在する陽の気を持つ祖霊たちが味方をしてくれる。無論、こちらもどこまで使いこなすかは修練の成果によるがの」

「─────では再び戦えるようになる......ためにはその呪力を受け取る方法を取り戻す.......ということ?」

「.......いや、お前が今後.....この先.....一生......陰陽師が本来持つ陽の呪力を取り戻すことは──────ない」

「.......どっ」

「これまで他の人間たちと同じように成長してこれたのはもはや幻想.......次の段階へ進むための″仮の姿″に過ぎん」



取り乱す紅緒に千怒は真実を言葉にして突きつける。



「力を失うまでのお前は、いわばさなぎの状態。双星の女《太陰》は皆どこかのタイミングで陽の呪力(さなぎ)を捨て、本来の力を取り戻す段階へと入る。儂の言いたい事が双星の男《太陽》が陽の呪力を秘めた器であるならば《太陰》はそれに対を成す........」



千怒はなれたような説明口調。



「化野紅緒。お前の正体はケガレの持つ陰の呪力を受け取るための器。お前は人間の皮を被ったケガレじゃ」


 

第166話→←第164話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.3/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
36人がお気に入り
設定タグ:双星の陰陽師 , 天馬 , 転生
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。