月姫の陰陽師肆 (ページ19)

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第164話ページ19

noside

土御門島での毎日を彼方達が過ごしている頃。

紅緒は、呪力を取り戻すために禍野で再会した神威と共にある者の元に向かっていた。ひたすら、神威の後を追い夜には現に出て食事、睡眠をとり、また禍野を進む。紅緒にもどこに向かっているかはわからないが横浜・静岡・名古屋と西へ進んでいることはわかる。

進む紅緒の足どりは重いが、ろくろとの約束を叶えるために進み続ける。歩いて行くなか、神威が紅緒に目的地に着いた事を知らせる。東京から京都まで歩きついた場所。

そこには、紅緒に呪力の力を再び取り戻せる可能性を持つ人物、婆娑羅の一位・千怒がいた。

──────────

警戒しながらも千怒について行った紅緒。
千怒から、水を渡せれるがそれよりも紅緒は聞くべき事がある。だが、千怒は全く違う事を楽しそうに話しだしたため、紅緒はテーブルを叩き怒鳴り出した。

「.......やれやれ冗談の通じん奴じゃな」

つまらなそうに紅緒を見て、大声をだした。

「あ～～～～あ！！結～～局、またこのパターンかっ！！どうしてもお前たちはいっつもいっつも！！戦いを止めて面白可笑しく暮らそうという奴は一人もおらんのか～～～～っ！！」

「......！？」

「もう何人目かも忘れてしもうたわ。途中で数えるのはやめてしまったからの」

「？」

「お前以外にもこれまで何度も来たぞ双星の女の方″太陰″が.......失った呪力を取り戻す方法を乞いにな。この戦いには筋書きがある。お前たちはそのルートを何度も何度も繰り返しておるだけじゃ」

「え.....」

呆けた顔をしている紅緒に空気を変えた千怒が「質問に答えただけだ」と言い、さらに戸惑いを見せた。

「────で次は何を知りたい？失った呪力の取り戻し方.....か？」

「......も戻す方がある......の？」

「ある。じゃが聞く覚悟はあるか？」

「？」

「戦う力を取り戻す方法は確かに存在する。しかし、それを教えるにはお前が何者かを話さねばならぬ。.....聞けばお前が信じてきたものが積み上げてきたこれまでの全てが崩れ去る。それでも聞きたいか？」

その問いに紅緒は覚悟を決め頷いた。

「......まあ、ここで退いた者は一人もおらんからの。ならば教えてやる」

千怒は話始める前に紅緒に座るように促す。

　