第156話 ページ11
「このままじゃまずいぞ、士門さん......」
「そうだね.....、士門さんの方がフリだ」
「貴かく人機と朱染雀羽。一見、似たタイプの呪装だけど、機動力の差が大き過ぎる......!」
「″敵を確認″して″攻撃の指示″を出し″実行″という流れの朱染雀羽に対し、貴かく人機には間の武器の移動がない」
「攻撃指示を行った時点で貴かく人機の刃は既にそこに在るっ」
ズドッ!!!
ドッ!
「調子こいてんじゃねえぞ、トリ丸ぅ」
膝をつき、岩の上に下りる士門。
天馬から受けた傷は深いだろう。
「その他大勢がどんなに粋がったところで俺を出し抜くなんて一生無理なんだよ」
『......っ....!』
「どうせ、放っといても勝手に死んでいなくなるんだろうがてめぇらは.......。だったら、うかっり死なないようコソコソ生きてろよ」
「.......っ!!!天.......馬っ.....!!」
『.....っ....天、馬.....』
背を向ける天馬を士門は傷を押さえながら睨んだ。
──────────
「鵜宮家に限らず最も強い者こそ、最も孤独で最も悲しい定めを背負っているとワシは考える........誰よりも強い故誰よりも多く他人を傷つけてきただろうから.......な」
目の前のまっすぐな少年に問う。
「───────ではその者を″支える″ためにお前は何をすべきと考える?─────────士門」
──────────
「天っ.......馬ああああああああああああ!!!!!!貴様こそ調子に乗るな......いつまでもっいつまでも自分が一番でいると思うなっっ!!!!」
「一番にこだわった覚えは一回もねぇよ。
士門は立ち上がり、翼を元に戻し天馬に向かっていく。
「とうとう玉砕しか手立てがなくなったのかあっんんっ!!?」
「中身が変わっていないと指摘したのはお前だろぅっ!!!!」
「ヤケクソになれって意味じゃねえよっっ!!!!」
ギィィィン!!!!
「(──────......そう、俺はこれまでずっと確実なものばかり求めつづけていた.......しかし、それは裏を返せば″最善″......故に″臆病″)」
『士門の呪装の形状が.....!』
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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時