月姫の陰陽師肆 (ページ12)

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第157話ページ12

「(今の俺に必要なものは″無謀″故に″勇気″)うおおおおおおおおおおっっ！！！！」

カッ。

ギュオオオオオオオ！！！！

「！？(スピードが上がった。降天迦楼羅(ごうてんかるら)を起動しなおした........────いや！)」

ギュィィン！！！

「何......」

ゴッ！！！！！！

さっきよりも素早く天馬の攻撃をかわし、一撃を入れる。

「そんな奥の手隠してるとはよ。今日のために特訓したのか？んん～～～～？」

「─────いや、これはついさっき思いついた」

『！.....ふふ』

その言葉に天馬は勿論、ろくろ達は驚き士門を見ている。「姉ちゃん？」といきなり私が士門をみて笑ったからろくろは首を傾げながら私を見た。

『私の幼馴染は相変わらずだなって思っちゃってね』

「確か、彼方さんと士門さんの二人は幼馴染なんですよね」

『そうだよ』

有主くんの言葉に頷いた。

「朱染雀羽は飛行している時は攻撃が、攻撃している時は飛行や防御がどうしても能力的に下がる」

『形状が、ろくろのに似てるね(参考にしてるのかな？)』

「これはろくろと恵治義兄さんの術を参考にさせて貰った。飛行と攻撃を同時に可能にする.....赤爪鳳凰神駆(せきそうほうおうしんく)っ！！」

やっぱり参考にして生み出したんだ。
士門の両腕にはろくろと似たようなガントレットに姿を変えた武器があった。この短時間で新しい呪装を思いつき、戦いの中で顕現させた。

「天馬......これまで、どれ程の人がお前の前から消え、孤独を与えてきたかはわからない.......だが、俺がお前の前からいなくなることはないっ」

『！』

「今日、俺がここでお前を超えるからなっ......！！」

『(......やっぱり......士門しかいない.....彼なら天馬を孤独から救ってくれる)』

私はそう思いながら隣に座る武舞台を観ているろくろを見た。ろくろは士門に影響を与えた。ならきっと天馬にも何か与えてくれるんじゃないかって思う。今はまだ彼らに及ばなくてもそれでもろくろは歩んでいく。ろくろが影響を与えると同じように士門もろくろや繭良に影響を与える。

「十二天将″朱雀″の新たな翼っっ赤爪鳳凰神駆(せきそうほうおうしんく)っ！！！！」

「凄い......本当に凄いっ！」

　