第131話 ページ33
普通は何かに呪装するが、戦花顕符は違う。貴人と同じく、呪装しなくていいものだ。呪言も本来は要らないのだが、月姫自身が彼方に呼んでほしいために呼ばせているのだ。
彼方は、連続で攻撃を仕掛ける。柄の部分で止めながら、久世は大きく薙刀を振りかざし、彼方を遠くに飛ばす。だが、彼方は久世の空いた懐に一瞬で距離を詰め一撃を食らわす。さらに距離を詰めてもう一撃。
飛ばされる久世。
薙刀を使いうまく体勢を立て直す。
ダッ！
ガッ！
超高速で行われる闘い。
攻撃して、かわし、防ぐの繰り返しをする両者。
観客は、何が起こっているかが目で追えない。
剣術を得意とする十六夜家だからこそできる芸当だ。それについてきている久世もすごいのだ。いつまでも続くかに見えた闘いは、次の瞬間すぐに決着がついた。彼方が大きくためて、タイミングをずらし一撃を入れた。
「ッ.....！？」
すると、久世は体勢を崩した。
その瞬間を狙い彼方は薙刀を久世の手から飛ばし、首の横に刀をつける。
ピタ。
戦闘体勢のまま、久世を見る彼方。
「.......」
『.....(何か様子が......)』
次の瞬間.......、
『!?』
ザシュッ！！
真っ赤な血が勢いよく宙をまった。
『.....ｯ....！』
「え.....」
舞台には二人。
赤い血を流している彼方とさっきまでと雰囲気が違う久世がたっていた。久世が彼方を何かで攻撃したのだった。
「姉ちゃん！！？」
「姉様っ！！」
「彼方っ！！！(まさか.....)」
ろくろがいち早く、姉の名前を叫ぶ。
士門達も血を流す彼方とそういうことをした久世に嫌な予感を覚える。なぜなら、例え御前試合であったとしても久世が彼方を傷つけることがないからだ。
バァァァァァァ！！！！
久世自身からとてつもない呪力。
周りからは、無数の刃。
「やはり、そう簡単には殺られぬか.....。十六夜の娘」
『！(やっぱり、予感的中だ....)』
話し方も違う少女。
「っ......まさかっ！？」
「久世.....！」
「だが、それでこそ倒しがいがあるというものよのぉ.....？」
無数の刃は彼方に向けられ、久世はニコッと微笑んだ。
彼女の瞳は彼方やりも深い赤い色の瞳をして、彼方を映していた。
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです！無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (
レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいｯｯｯ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月31日 17時
