第30話 ページ32
「なあ、チビ助ぇ〜〜〜！お前よぉ〜〜〜俺に言わなきゃならないことがあるよなぁ〜〜〜？」
「言わなきゃならないこと....？えっと、....お久し振りです！！いつまでもお若いですね師匠っ♡」
とびきりの笑顔で挨拶をするろくろ。絶対違う。私も清弦さん、「いつ見ても同じで若いなあ」と思っていたけど、絶対違う！！
「俺そこまで怒らせるようなこと言った！！？」
「あまりふざけてるとマジでハッ倒すぞてめぇ〜〜〜.......！？」
「ちゃんと言ってくんねえとわかんねぇもん！！」
「有馬から聞いたぞ」
.......土御門さんから？
「お前.....その腕の″力″かなり好き勝手使いまくってるらしいなぁ〜〜〜？なぁ、じいさん。俺の預けた″星装顕符″あんた何て言ってコイツに渡したんだ？」
「(星装顕符？ろくろの黒い霊符のこと......？)」
「別によぉ〜〜〜自分の身を守るためとか他にどうしようもなくなって、一〜二度使うくらいなら特に何も言わねぇがぁ......」
ろくろの右腕を見ながら、清弦さんは言う。
「自らの意志で何度も使うってなると話が違ってくるよなぁ〜〜〜？なぁチビ助ぇ.......、まさかとは思うけど、もう一度、陰陽師やるなんて言い出したりしねぇよなぁ〜〜！？どうなんだぁあぁ〜〜〜？」
「お、陰陽師としては戦うつもりはない......世界とか未来とか......大きいもののために戦う資格はもう俺にはねえけど人が目の前で傷つくのは......やっぱ放っておけない.....！たとえ、こんな腕でも目の前の誰かに届くのならちゃんと差し伸べたいんだ.....！！」
バチッ！！
『！』
「ろくろっ！！？」
「なっ......何をするか清弦！？」
清弦さんがろくろの頬を叩いた。
その勢いで、後ろに倒れる。
「てめえの力がそんな御大層なもんかぁ〜〜〜！？今更綺麗事ぬかしてんじゃねえぞぉ〜〜」
「ｯ......綺麗事なら二年前に.....！！″あの日″に全部燃えてとっくに灰になってる！！」
ろくろの言葉に清弦さんは庭の方に向かって歩いていく。
「面倒臭ぇが.....そこまで言うなら見せてみろ。てめぇのその腕で何が出来るのか。てめぇの覚悟がどれ程のもんか、俺に見せてみろぉ〜〜〜....！」
禍野へ繋がる門を出せる霊符を出す清弦さん。
門を開き、ろくろと清弦さんは禍野へ。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月12日 20時
