第10話 ページ12
良かった、笑顔になってくれた。女の子は笑っていた方が良いもの。明るくいれば、一日が少しだけ楽しくなるんじゃないかな?運命の日って、......人生の転機って案外突然に来るものだからさ。
『あ、じゃあ、改めて行ってらっしゃい。紅!』
「行って.....来ます!」
そう言って玄関に向かった紅。玄関の戸が開く音、すぐに閉まる音が聞こえた。冷蔵庫に向き直り、皆が起きてくる前に朝御飯の用意を始めた。
朝御飯が出来た上がった頃、亮悟さんやじっさま達が起きて来た。挨拶をして、朝御飯を食べる。皆が起きてくる中、ろくの姿が見えない。まだ、寝ているんだろうなぁ。食器を洗い終えた私は、家計簿を書いている亮悟さんの席の前に座り、お茶を一口飲んだ。麦茶.....、美味しい。
「おはよ〜」
「おはよ〜ってお前な、もう昼だぞ」
『寝すぎ。朝御飯片付けちゃったよ』
昼近くになり、寝癖がひどいろくが挨拶をしながら起きてきた。髪が爆発してる。
「ったく、少しは紅緒さんを見習えよ〜?紅緒さん、毎朝五時に起きてケガレと戦うためにトレーニングやってるんだぞ〜〜☆」
「........!!別にあんな女と張り合う気なんてねぇし!!」
寝癖を直しながら、部屋を出ていくろく。
きっと、紅を見てると昔の自分を思い出してるんだと思う。
.....ん?
ていうか、ろくどこに向かって....、
『ハッ!!).......まさかッ!』
スッゴい嫌な予感がする.....。
ガラ.....。
_____ビシャッン!!!
「えっ.......!?アイツ......!!へっ......!あれっっ!?」
『ろくろ!!今、紅がお風呂に入ってるから洗面所は使っちゃダメだよ!!?』
「言うのが、遅いよっ!!!!?」
どうやら、注意するのが遅かったらしい。
タイミング悪く、鉢合わせしちゃったっぽい。
だって......、
「ぎゃぁあぁあああああっ!!!!」
服を来て出てきた紅が剣を持ってろくを追いかけてるから。
──────────
ほどなくして、紅に捕まったろく。
庭の洗濯干しの棒に逆さ吊りされている。
しかも、下は池と落ちたらびしょ濡れ間違いなし。ろくの悲鳴で集まって来た星火寮の皆に囲まれながら、攻撃を受けている。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月12日 20時