緑の瞳は欠片を探す 《４》

◇デートでもファイト ページ42

「スタンドアップ！ヴァンガード！！」



アジアサーキットやヴァンガード甲子園での活躍でアイチは有名人だ。アイスを食べ終えた後のデート中、小学生の男の子達にヴァンガードファイトを申し込まれ、困った表情で私を見てきたアイチに「ファイトしてきな。応援してるからさ」とGoサインを出せば、彼は頷いて少年達とファイトをし始めた。ファイトしてほしいとお願いされているのだ。応えないとだよ。



「あー！負けちゃったぁ〜！」

「アイチさん、すごい！」

「次は僕とファイトして！」

「その次は僕と！！」

「私も！」

「ズルい！僕だって、アイチさんとファイトしたい！」



ファイトを終えたアイチの周りにはたくさんの子達が集まり、手にはデッキ。まだまだ、ファイトは終われそうにないね。



『私の事は気にしなくていいから、この子達とファイトしてあげてよ』

「すみません、カサネさん」

『ううん。ファイトしてるアイチ見てるの好きだからいいの！ほら、皆待ってるよ』

「っ....はい！」



近くの場所で彼らの様子を見ながら過ごした。






──────────






楽しそうに子ども達とファイトするアイチの姿を見ながら、残りの時間を過ごして、時刻は夕方。デートが途中からファイトの時間になって、偶々通りかかったレン達も一緒になって子ども達にファイトを教えることになった。レンはアイチとファイトすることになり、大盛り上がり。



『まさか、レンと会うなんて思わなかったよ』

「びっくりしました」



ね、本当にびっくりしたよ。



『久しぶりのファイトだったけど、アーちゃんとも話せたし楽しかったよ』

「すみませんでした。僕、途中からファイトに集中しちゃって、デートのこと忘れちゃってて.....」

『ｸｽｯ)知ってたよ。レンとのファイト楽しかったんでしょ？アイチが楽しそうにしてて良かった。それに私も二人のファイト見てて、楽しかったからね』



ドキドキ、ワクワクのファイト。
やっぱり、ヴァンガードってすごいって思った。



『(クロノもヴァンガードに出会ったら、こんなにも楽しい毎日を送ってくれるだろうか.....)』



毎日毎日、大変な事が起こって皆で乗り越えていくたびにヴァンガードのすごさを理解する。理解する度に楽しいって気持ちは大きくなっていくんだ。


　

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