緑の瞳は欠片を探す 《４》

◇曇り空 ページ23

『嫌な天気......』



雨の降りそうな天気の日に福原高校に向かう私。
アーちゃんに新作の手作りお菓子、今回はスコーンを届けに来たのだ。紅茶に合うように作ったお菓子。

この間、食べたいと言ってくれたので福原高校まで届けに来たのだ。セキュリティカードの予備を予め渡されていたので難なく入っていく。



『......え、倒れてる？』



福原高校の方に行ったのに誰もいなくて、FFビルに来てみたら、福原の制服を着た人達が倒れてる。

どういうこと？



ただごとではない雰囲気。
そして、あのカラフルな髪の人達が遠くに見える。

誰かを追ってる？
誰かを探してるのか？

気になり、誰もいないことをいいことにFF本部へと入った。



『アーちゃん、います.....、か？....え？』

「.....カサネ！」

「新導....カサネ....」



入ってすぐにスイコさんとレンがファイトしていた。
いや、アーちゃんは？



『何事？表のあれも.....』

「話しは後です。カサネはそこで待っていてください」

『わ、わかった....！』



いつもよりも真剣な表情のレンの言葉に頷き、訳がわからないがとりあえず、持ってきたスコーンを入れたトートバッグを握りしめて、端の方へと移動する。



『(......あの、スイコさんの様子....この間のナオキの雰囲気に似ている.....)』



しかも、初めてみるユニットばっかり。
スイコさんは、″リンクジョーカー″と呼ばれるクランを使っている。それと″呪縛(ロック)″という技。



「部員達を先導したのは君かい？」

「そうでもあるし、そうでもない。」

『？』

「本当はもう気づいているんでしょう？彼らもこのデッキもこの世ならざる力。偉大な存在によるものであると」

「まさか....」

「そう、全ては虚無(ボイド)の意志」

『虚無(ボイド)っ！？』



レオンに取り付き、惑星クレイをこの地球を飲み込もうとした存在。全てを無に返す存在。



「地球のヴァンガードファイターを″Я(リバース)″し、自らの力にすることで地球は自ずと滅る。クレイと共にね」

「″Я(リバース)″？」

「このリンクジョーカーデッキとのファイトに負けた者は本人の意思を離れ、リンクジョーカーそのものになる。......それが″Я(リバース)″....」




　

◇リンクジョーカーと″Я″→←◇連絡がとれないと不安になる

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