◇転入生 ページ11
聞き覚えのある声。
それと共にたつきの顔に鞄が押し付けられた。
「ウチの連中は全員無キズだ、残念だったな」
『一護！』
「黒崎くん！」
ちょうど話していた一護が教室に現れた。
『おはよう』
「はよ」
「お....ッ、おおおおはよう！」
「お.....？おうっ、今日も幸せそうだな井上」
話していた一護が来た途端に慌てた織姫。
アワアワしながらも嬉しそうに一護に朝の挨拶をした。
気づかないんだ。
「来たんだね。家の修理手伝ってたの？」
「まあな。三限は？」
「現国」
「越知サンか。まーあの人ならゴチャゴチャきいてこねーだろ」
『だろーねー』
越知さんこと越知先生。
うちのクラスの担任でなんと言うか適当なところが大半の女性教師である。
水色に授業内容を確認しながら、自身の席につこうと椅子を引いた一護。
「貴様.....貴方が黒崎くん？」
『(貴様....？)』
ガタン。
「よろしく」
「！！？」
『あ、一護は朝いなかったからわからないよね？彼女は転入生の朽木ルキアさん。こんな半端な時期だけど家庭の事情で急遽引っ越してきたらしく....』
「ﾀﾞﾗﾀﾞﾗﾀﾞﾗ)て....ッてめぇなんで.....」
『どうしたの？』
朽木さんを見た途端にダラダラと汗をかき始めて、初対面の人に対して「てめぇ」とか.....。
本当にどうしたんだろう？
『朽木さん、もしかして一護と知り合いだった？』
「いいえ、初対面ですわ」
気になって朽木さんに聞いてみたが初対面らしい。
一護の勘違いだろうか。
それにしても美人な人だなぁ、朽木さん。
織姫とは違った意味で魅力的な女の子だよね....。
「黒崎くん、私まだ教科書がないの。貴さ.....あなたのを一緒に見せてもらってもいいかしら？」
彼女が教科書を一護から貸してもらうために手を差し出すと一護の顔色が悪くなった。
「────！！？」
「ね？」
慌てたように鞄から教科書を取り出して朽木さんに教科書を渡した。
『(.....彼女....)』
多分、普通の人間じゃないよね？
微かに感じる朽木さんの霊圧を一護から感じる。
昨日までなかったはずなのに微かに一護の魂が、あの人達と同種のモノになっている。
『(.....一護、貴方は″死神″になったの？)』
答えなんて帰って来ない心の中で問いかけた。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年9月17日 21時
