◇二つの世界が入り交じる ページ28
『よかった.....』
「ただの風邪だってね。何かの病気じゃなくてよかったね」
『うん』
医務室に急いで男の子を運び、診てもらった。軽い風邪と言われ安心。病気とかだったらどうしようと思ったのだ。今、スタッフの方が彼の親に連絡をして迎えに来てくれるように頼んでるとのこと。
その間、私達は彼を看ている。
医務室のベッドにさっきよりも落ち着いている彼をチラッとみて、千歳に向き直る。
『それにしても.....う〜ん？』
スッゲェみたことある子なんだけど....。
しかも、前世で...。
「......この子がのってた自転車.....ロードバイクだったよね......？」
.......おっと、千歳さん。
それはつまり、あなたも気づいているんですね。
「.....この男の子....
『同じく』
「まさかだけど.....」
『.....弱虫ペダルの真波....山岳君ですよね....？』
「.....だよね」
小声で話しながら、視線の先はこの少年。
高校一年生の時の面影があり、しかもロードバイクに乗っていた。アホ毛がピョコンと生えていて。この子を私は、私達は、前世で観ていた。自転車競技の人気アニメ、弱虫ペダルの主人公「小野田坂道」のライバルである「真波山岳」である。
ホントかどうかもう一度顔を見て.....、うん。本人だわ。
『てことはここって弱虫ペダルの世界も混じってるってこと？』
「そういうことになるよね」
マジか、ハイキューの世界だけでなく弱虫ペダルの世界でもあったのか....。十数年生きてきて、始めて知った事実。二人揃って、驚きでちょっぴりキャパオーバー中。ハイキューだけでもテンション上がるって言うのに。
「んっ.....」
『君、気がついた？』
「あれ....ここ、どこ....？それにお姉さん.....だ......れ？」
目が覚めた男の子はうっすらと目を開けて、周りを確認している。熱があるため、意識がぼーっとしているのか焦点がまだあっていない。声のした私の方に顔を向けた。
『私は美園湖羽。この近くで倒れそうになった君を私達が体育館の医務室に運んだの』
ゆっくりとした口調で真波君の今の状況を説明する。すると、思い出したのか、倒れる前の事を話してくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏菜沙(プロフ) - 教えてくださりありがとうございます！直させていただきました。 (2022年4月12日 10時) (
レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - フォーカーフェイス…ポーカーフェイス？？ (2022年3月21日 12時) (レス) @page15 id: cfde1fd93c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年8月25日 19時
