◇レシーバーの転生少女 ページ42
「おはようございます!湖羽さん、千歳さん!」
「彩芽ちゃん、おはよう」
『はよー』
学校に行けば、廊下で話す湖羽さん達を見つけた。
挨拶をすれば笑顔で返してくれて、湖羽さん、千歳さん、二人の友達であることが嬉しくなる。私の後ろの方にいた東堂君達に気づいた二人は手を振った。
「朝練お疲れ様」
「湖羽達は.......」
『私、今日の朝練はお休みだから昨日ちょっと遅く寝ちゃったんだよねー。朝はゆっくり来ました!』
「だから、オメェさん少し眠そうなのかい?」
『眠そうに見えるんだ』
「眠いけどねー」と口を手で押さえて欠伸をした湖羽さんは眠そうで「遅くって何してたんですか?」と聞くけど返ってくる言葉は予想できる。
『バレーの試合のDVD貸してもらってたから観た』
「......井闥山の?」
『そ、あっちももう春高の代表は決まってて、今年も強敵なのは代わりないから対策で見てました』
「本当は?」
『若葉のスパイク取っりたいッッ!!!』
「バレー馬鹿」
目をキラキラさせて、湖羽さんの口から語られたのは、彼女達の中学時代からの好敵手である井闥山学院高校の守上若葉さん。スパイクが〜......、サーブが〜......と楽しそうに語りだした湖羽さんに千歳さんは頷く。興奮してハイテンションの湖羽さんに落ち着くようにいう千歳さんもワクワクしたように表情が柔らかい。湖羽さんも本人も他者も認めるバレーバカであるが、千歳さんも十分バレーバカ。
『それに井闥山の新しい一年生の子のスパイクも強力でね?あれは龍と同じ感じのパワータイプだったよ!試合で偶然なのか、練習中なのか試合の後半空中姿勢がぶれないし、私よりも身長が20cmも高いからブロックもスパイクのパワーもある子でさー!!』
「湖羽が取りたいっていうぐらいだからすごい子なんだろーなって思ってたけど.......気になってきたから私にも貸して」
『りょーかい!』
湖羽さんの心と千歳さんの心に火をつけた井闥山の一年生ウイングスパイカー。湖羽さんはスパイカーとして、そしてレシーバーとして彼女と一方的に勝負するのだろう。
『でも、まあ
「!」
こういう時の湖羽さんはカッコよくて、木兎君に似た雰囲気を出すのだ。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年12月25日 19時