◇村人Bじゃなくて? ページ13
週末の練習試合。
「湖羽、喫茶店すんのかっ!?」
『するけど、誰から聞いたの?』
「黒尾から」
『クロか!(あの野郎、情報が早いな)』
春高前の貴重な休みに梟谷と音駒と箱学で練習試合をする日がきた。どちらも春高への切符はすでにゲット済みだ。原作知識で知ったてけど、実際言われるまでドキドキだったよ。
「千歳は演劇するんだろ〜?」
「誰から聞いたの?木兎君」
「湖羽から〜」
「俺は千歳から聞いたぞ?」
『千歳サンが言ったのか』
「湖羽サンが言ったのか.....」
文化祭の情報をそれぞれ木兎に言っていた私達。
二人して顔を見合せ、溜め息をついた。
去年もこういう事があったんだよなぁ。
「千歳はお姫様役なんだろう?俺も王子役とか勇者役とか主役やりたかったぁぁぁ!!!」
『?どゆこと?』
木兎の言葉に首をかしげて、お母さんである赤葦に視線を向けた。
「うちの学校も箱根学園と近い日に文化祭があるのは知ってますよね?」
『勿論。私達、去年行ったし』
「うんうん」
「俺達も....行った」
クロ、研磨、千歳と私。この四人で去年の梟谷の文化祭に行ったのだ。木兎が暴れてて、赤葦が振り回され、木葉(器用貧乏)や雪絵とかおり達、他のバレー部員達が呆れながら、赤葦を労っていた。
結果、赤葦が大変な文化祭になったのだ(いつものこと)。
「木兎さんのクラスは今年の文化祭、千歳さん達と同じように演劇をやるみたいで」
「へぇー。何役になったんだ?木兎」
ニヤニヤしながら、面白がって聞いたクロ。
「俺、木!!」
「(やべぇ、なんとなく予想ついてた)」
「そうなんだ〜(スッゴく予想通りな感じ)」
『木の役かー(そこら辺だと思った)』
確か日向も前に言ってたなぁ。「俺、演劇は木の役とかやってました!」って。それで主役より目立とうとして怒られたとか花ちゃんも村人Bとかやってたって言ってたなぁ。
こいつもそっち側か!
「目立つ役が良かったんだけど、木の役も目立てるって言ってたんだ〜〜〜!!」
「.....騙されてない?」
「勘違い?」
『妄想?』
「違いますよ」
いや、だって木が目立つって無理だろう。
何よりも主役の方が目立つでしょう??
皆、同じことを思い事情を知ってそうな赤葦に問いかける。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年12月25日 19時