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乾いた神威の瞳が戻るのは、意外にも時間が掛かった。






神「A」

神「説明して」






高杉が出て行った後。
Aは神威によって体を倒され、ベットに沈められていた。








貴「お盛んなの?」








自分よりも大きな男に覆いかぶさられているにも関わらず、Aは今日始めての笑みを見せる。
だけど神威は、それがどうにも気に食わなかったのか、Aの耳元に口を寄せた。






神「・・・悪いけど」

神「俺の好みは年上」

神「残念だったねぇ」

神「A?」






距離が無いに等しい声がくすぐったく。
思わず身を捩るAに要約満足感が出てきたのか、神威はその身を起こした。







貴「・・・神威って」

貴「何歳なの?」






続けてAも体を起こすが、打って変って不服そう。
乱れた髪を直しながら向けられている背を見つめる。






神「18。・・・だけど」






そう答えた神威に、ふわり。背中から伸びてきた腕に抱きしめらる。
腕を辿らなくとも、誰のものかは直に分かった。






貴「神威」

貴「私さぁ」

貴「…24歳なんだよねェ」






何処から出しているのか分からないような女の声に、「しまった」と焦っても、既に耳から脳に伝っってしまっており、響く。






貴「こんな作った声で」

貴「そぉんな顔しちゃって」

貴「可愛ィねェ」

貴「神威君?」



神「ッな」



貴「ふふ、」

貴「じゃァ食堂行くね」







だけど、挑発ともとれるAの行動にも不思議と怒りは現れず、むしろ、春雨(ここ)に来て初めて楽しそうなAの姿に瞬きを早めた。




 バタン






神「・・・へェ、面白いじゃん」







一人残された部屋には、恋うようの香りがした。











02*(食堂)→←/



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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時

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