【赤司征十郎】君の仰せのままに−執事シリーズ−

執事【8】 ページ9

あ「や、妬いてなんかいません!」





玲「そう?私にはそうにしか見えないけど」






あ「……本当は、寂しいです。






私、最近征の負担にならないようにって征に頼らないようにしてたんです。






だから学校でも私の傍にいる必要はないって言っちゃって。






そうすれば、征はもっと楽になって高校生活も楽しめると思ったから。






…だけど、怖いんです」






玲「怖い?」





あ「はい…征が離れていってしまうのが。





自分のことを自分でできると征に頼らなければ頼らないほど、征は離れていってしまう。






それが怖くて、嫌なんです」






自分でも変だなって、わがままだなって分かってる。






・






だけど、他の人に優しくしてるところなんか見たくない。






―私だけでいいのに―






そう思ってしまう。






・






玲「Aちゃんは、もう少し自分に素直になってもいいんじゃないかしら」





あ「素直…?でも、頼らないようにしようってのは素直な私の気持ちで…」





玲「確かにそうかもしれないけど、それと自分の気持ちを我慢するのじゃ全然違うことよ?





素直になったことで、自分の気持ちを我慢してちゃAちゃんが辛くなっちゃうだけよ。





だから、いつも通りに征ちゃんに甘えたい時は甘える、そんなAちゃんでいいと思うわよ」





あ「玲央さん…ありがとうございます!」





ああ、やっぱり玲央さんと話してると安心する。





・






赤「………」

執事【9】→←執事【7】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す