執事【20】 ページ21
赤「なんでしょう、Aお嬢様」
言わなきゃ。
あ「……」
早く。
あ「……今日で、あなたの役目は終わり」
赤「…どういうことですか?」
征は、意味が分からないというような顔で私を見つめる。
あ「そのままの意味。
今日をもって、あなたを執事から解雇します」
赤「…それはどういう…」
あ「もう私の執事ではなくなるということよ。
これからは自分の家に戻って、自由な暮らしができるの」
涙が堪えきれそうになく、私は征に背中を向ける。
赤「お嬢様、お父上の許可なしにそのようなことは…」
あ「聞こえなかった?解雇するって言ったの。
これは命令よ。
分かったら、もう二度と私の前に現れないで」
ああ、なんて私は酷い人間なんだろう。
あれだけ征を振り回しておいて、こんな言い方をしてしまうなんて。
私は、背を向けていた身体を征の方に向け、征の頬に軽く触れるだけのキスをした。
あ「…さようなら」
私は征に別れを告げ、家を飛び出した。
行く宛てなんてなかった。
だけど無我夢中で走った。
今まで、こんなに辛かったことなんてあっただろうか。
あるわけがなかった。
だってずっと征が傍にいてくれたから。
その時、私の涙を隠すかのように頬に冷たいものが伝った。
あ「雨…」
私は上を向いたまま、ポツポツと少しずつ降り始めた雨にただ身を任せていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Twitter始めました!良かったらフォローお願いします。
@y_uho1111
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優穂(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます!カッコよく書けてるか心配でした…!赤司くん執事似合いそうですよね!ドキドキしていただけて良かったです!! (2017年1月29日 10時) (
レス) id: 1ef8b6e724 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とてもかっこよかったです！赤司君、執事すごく似合ってる〜 ドキドキしながら読んでいました！ (2017年1月29日 8時) (レス) id: 6adc5ff639 (このIDを非表示/違反報告)
優穂(プロフ) - ミルクさん» コメントありがとうございます！赤司様が執事だったら逆に自分がなんでも言う事聞いちゃいそうですよね！毎日ドキドキが止まらなそうです笑 (2017年1月15日 20時) (レス) id: 3cb2e40481 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - 執事が赤司様とかヤバイですな…(*°∀°*) (2016年12月31日 0時) (レス) id: a9e774865c (このIDを非表示/違反報告)
優穂(プロフ) - 遙城さん» コメントありがとうございます!童謡の少し歌詞が怖い曲ですか?笑 (2016年12月23日 12時) (レス) id: 1ef8b6e724 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優穂
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/aiha2/
作成日時：2016年12月10日 16時
