【赤司征十郎】君の仰せのままに−執事シリーズ−

執事【15】 ページ16

あ「どうしたの?征」






何故かさっきから征からの視線を感じる。






征「…そのような服を着ているのを見たことがなかったもので」






あ「あ、これはさつきに借りたの。






…変かな?」






征「……似合っているんじゃないですか」






征は少し恥ずかしそうに顔を背ける。






もしかして、少し照れてる?






その征の反応が可愛くて、私も嬉しくなる。







・







征「最初はどこに行かれますか?」






あ「えーと、じゃあ…」






私が指さしたのは、今まで一度も言ったことがない洋服屋。






征「何かほしい洋服があるのですか?






それならばいつも旦那様たちが買ってくれるではありませんか」






あ「分かってないわね!こういうみんながやっていることを自分でやってみたいのよ!」





私は少しでも征と恋人っぽい感じでいたい。






征とはそういう関係になれないのは分かってる。






だけどせめて。






私たちの関係を知らない人たちにだけでも、恋人っぽいって思われたいの。






・







あ「ねえ、どう?征」






征「とてもお似合いですよ」






あ「ふふ、ありがと…」






やっぱり大好きな征から言われる言葉は嬉しくて。






あ「征も、こういう明るい系似合うよ」






今日の征は久々に見た執事服じゃなくて、私服だった。






征はカッコいいからなんでも似合っちゃうんだなあ。

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