【赤司征十郎】君の仰せのままに−執事シリーズ−

執事【10】 ページ11

やだ、やだ。






他の女の子と出かけるなんて――…。






いや―――…。






「Aお嬢様!」






その時、後ろから私の名前を呼ぶ征の声がした。






だけど、私は今すぐにでも泣きそうな顔を見られたくなくてその声にも振り向かない。






赤「…なんで逃げるんですか」






もちろん、征から逃げられるわけなくて。






あ「やっ…な、なんでもない」






赤「なんでもなくないでしょう。






あんなあからさまな態度をとって。






今だって、そんな顔をされて」






あ「……なんでもないもん」






私は、征に腕を掴まれもう片方の手で顔を征の方に向けられるが






私はその手を振り払う。






・






赤「心配しなくても、でかけませんよ」






あ「え?」







赤「誘いなら、断りましたから。






だからいい加減機嫌を直してください」






あ「……」







やっぱり、征にはなんでも分かっちゃうんだ。








赤「ここ最近は、学校に慣れることで休む暇もあまりありませんでしたから、






休日はゆっくり休みましょう」






あ「…うん」






・






お願い、征。






わがままでも、離れていかないで。

執事【11】→←執事【9】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す