【高尾和成】君の仰せのままに−執事シリーズ−

執事【13】 ページ14

琴音「ふーん、Aは高尾くんのこと本当大好きなのね」









あ「なっ…べ、別にそんなんじゃ…」









琴音「でもね、今から先のこと考えても仕方ないよ?









今は今なんだから。それに高尾くんがAの元を離れるなんて考えられないし」









私だって、そんなこと考えたくないけれど。









いつか、笑顔の和が私の隣からいなくなってしまうのが怖い。









「行かないで」と、辛くなって泣いてしまうことが怖い。









・









私は、弱いんだ。









自分が傷つかないようにって、自分を守ろうとしてる。









・









いつからだろう、こんなに和のことを考えるようになったのは。









最初はうるさくて、鬱陶しく感じていた。









だけど和の笑顔には何度も助けられて。









こんな不器用な私にいつも付き合ってくれて。









今じゃ一番失いたくない存在。









この先、もしも和に私以上の存在が出来てしまったら――…。









私はぼーっと、窓の外を眺めていた。









あ、和…。









グラウンドでは和が友達とじゃれ合っていて。









体育、やってるんだ。









楽しそうだな、和。









私、あなたの笑顔と自由を奪いたくない。









だから、自分のことはちゃんと自分でケリをつけないと。

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