【あんスタ】5人目の『落ちこぼれ』くん【男主】 (ページ2)

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……急に何なんだ？初対面なのに馴れ馴れしい。いい匂いがするね！とか君の名前は？とかセクハラ超えてナンパなんだけど。口説いてる？オレ、男なんだけど。はあ、最近の新人は社会の常識や規則を守らなさすぎる。敬語の使い方も全然だめだめだし。

てか、このオレをご存知ない感じ？

まあ、ちょーっとやんちゃしちゃって、数年活動停止されてたけどさァ？芸能界から少し離れてしまったけどさァ？新人さんが知らないってことはオレもまだまだってことか。はあ、ちょっとは有名人になったとは思ってたんだけどなァ。自負しすぎたか。

でもまあ、色々と第一印象がだめだめだけど、ちゃんと自己紹介するのは偉いね。なら、オレも自己紹介しないとね。

深く息を吐き、ゆっくりと席から立つ。

「一彩くん……だっけ？オレは梅森A。よろしくね」

「ああ、よろしく！Aと言うんだね。素敵な名前だ！」

そう手を差し伸べば、力強い握手を交わされる。

掌が痛い。少しひりひりする。そんなオレを横目に一彩くんは、「これで僕たちは友達だ！」と嬉しそうに言う。はあ、呆れて声も出ないよ。でも、これはこれで新鮮でいいかも。勿論。最初はなんだコイツって苛ついてしまったけれども……。

よく見たら可愛い顔してるし、なんなら弟属性なのかも。それに無垢な後輩くん、ほしいなとは思ってはいたんだよねェ。上機嫌になったオレを見て、一彩くんは一瞬わからないという顔をしたけど、釣られて自分のように嬉しそうに笑顔になった。

突っ立ってるのもあれだし、オレは前の席に座るように言った。

「飲み物は何がいい？お茶か水。それか紅茶かコーヒー」

「お茶と水はわかるけど、こうちゃとこーひーとは何なんだい？」

え、誰もが飲む紅茶とコーヒーを知らない！？

思わずびっくりして声を漏らしてしまう。丁寧に教えてあげれば、「なるほど！」とわかったのかわかってないのか微妙な顔だったけど、紅茶を飲んでみたいと笑顔で要望を言って来たので、オレは二つの返事をして、紅茶をつくる。

すると一彩くんは昨日眠れなかったのか「ふああ」と可愛らしい欠伸をして、丁度淹れ終わる頃には顔をうつ伏せにしてすうすうと寝てしまっていた。いや紅茶は！？オレが淹れた意味！話し相手もやっと来たと思ったのに。また待たないとじゃん！