【あんスタ】5人目の『落ちこぼれ』くん【男主】 (ページ1)

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○第一章「劣等生」1-1 ページ1

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とある初夏。オレは久々にプロデューサーに呼ばれ、アンサンブルスクエアの指定された一室に行くように言われた。なんでもあの英智くんがオレ含めた五人に話があるんだとか。仕事の打ち合わせかな？るんるんとスキップしながら部屋に向かう。

それにしても……いやー、お久しぶりの外！太陽の光が眩い！

『あそこ』から釈放されてこんなに嬉しいことはないね。鼻歌を唄っていると、指定された部屋が見えてくる。お、あそこだな。そう思い、軽くノックをし、ドアノブを握って扉を開ける。すると一番乗りだったのか、中には誰もいなかった。

「あれれ、早く来すぎたかなァ……？」

そう頭をぽりぽり掻きながら、空いてる席に適当に座って、大きな窓に視線を向ける。ほんと、ここからの景色はいつも綺麗だな。すごく心が落ち着く。うっとりと眺めているとふと思い出す。そういえば、他の四人ってどんな人なんだろう？

復帰してから初の一緒に仕事する人たちなんだよね？わ、すごく楽しみ！早く会いたいなァ。早く時間にならないかなァ！

「数年ぶりに……また、ファンのみんなと繋がれるんだよね？逢えるんだよね？はわわ、覚えてくれてるかな？心配だなァ」

オレのファン、奪られてたりしてないかな。推し変されてないかな。うーん、信じたくないなァ。でも、可能性はあるよね。もしそうなら、オレ、立ち直れる気がしないんだけど。快晴な青い空とは反対に、心は曇天のようにどんよりしていった。

憂鬱になっていると、「こんにちは！」と元気な声と共にノックなしにいきなり扉が開いた。思わず、びくりと肩を跳ねさせてしまう。おそるおそる振り返ると、そこには無邪気な笑顔が素敵な癖毛のある赤髪の好青年の姿が。ええっと？

あの子が……オレと仕事をする一人？新人さんかな。元気な子が来たなァ。唖然として彼を見つめていると、ぱちりと目が合う。すると、瞳をきらきらと輝かせてこちらにやって来た。

「初めまして！俺は天城一彩だ！すごくいい匂いがするね！君の名前は？もし、良ければ僕と友達になってくれないかな？」

「……はァ？」

前言撤回。ヤバい子だった。