三ツ谷は私のことが好きらしい。 (ページ11)

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11.灰谷兄弟ページ11

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『あ、来た。』

エ「なんかめっちゃ怒ってない……？イケメンだけど。」

『やば、待って、武蔵神社(ここ)に呼ぶのまずかったかも………』

バイクの音を鳴らし、こめかみに青筋を立て、般若のような顔で神社に現れたのは私の実の兄である。二人は有名だから隊員たちがダラダラと汗を流し、なんで灰谷兄弟がここに！？と恐れている。これはまずい。このままでは抗争が起こりかねない。

蘭「テメェらか、うちの大事な妹誑かしてんのは。」

竜「Aに手ぇ出しておいて、タダで済むと思うなよ東卍！！！」

『ちょ、ちょっと待ってお兄ちゃん！！』

蘭「A、すぐ終わらせるからあっちで待ってろ。」

『ちがうの、聞いて。私が連れてってってお願いしたんだよ。心配かけてごめんね………』

竜「はぁ？」

蘭「で、そのクラスメイトっつーのは？どいつだよ？」

『三ツ谷だよ。』

三「………勝手に連れてきてすみません、」

『え、ちょっと三ツ谷が謝ることないよ！！』

蘭「へー、弐番隊隊長の三ツ谷ねー」

『ねぇお願い、私が悪かったからここで喧嘩とかやめよ？お腹空いたから早く帰ってお兄ちゃんとご飯食べたい。』

竜「………ハーーー、分かったよ。喧嘩しねぇからその泣きそうな顔やめて。心臓痛くなってきた。」

蘭「Aに免じて今日は許すけど、次会ったら敵だからな。」

「「(妹絡むと、灰谷兄弟おっかねぇ！！！！)」」

一時はどうなることかと思ったけれど、何とかその場は収まった。私、もう二度と武蔵神社来れないな。帰ったら怒られそう。いや怒られないか。そういえば、この二人に本気で怒られたこと一回もないわ。

てかどうしよう。明日から三ツ谷と気まずいじゃん。三ツ谷と話せなくなったら、また学校行きづらくなる。まぁあの人優しいし、なんでもない顔でいつも通り接してくれそうではある。とにかく今回は私が無理を言って連れてってもらったんだし、三ツ谷には謝んなきゃ。

蘭「A」

『ハイ…………』

蘭「マジで無事でよかった。すげぇ心配した。」

竜「初めて喧嘩中に気抜いたわ。まぁ勝ったけど。」

蘭「三ツ谷に変なことされそうになったら、兄ちゃんに言って。ボコるから。」

『だ、大丈夫だと思うけど………』

竜「は？大丈夫なわけあるかよ、男はみんな狼なんだからな。」

蘭「マジで気をつけて。」

『ハイ』

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