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Aside
鬱陶しかった。
はじめて会った、彼女の印象はそれで。他の奴らと同じだった。
顔色を伺ってくる。
だから、突き放した。
もう、カスミのように失いたくないと言うのも会ったが。
まだ子供なのだから。
なのに
惹かれてしまった。彼女の、何かに惹かれたのだ。
カスミと似ている、三葉の強さ。
彼女との出逢いは___どのような出逢いだっただろう。
◆
「A。真昼が見当たらない、捜せ」
「俺じゃなくてもいいでしょう?」
「お前以外は、見つけられんのだ」
「真昼の兄なら……わかるだろう」
真昼は《鬼》が混じってると分かった、いや、その前からだが、
屋敷から姿を消すようになった。
めんどうだ。
と、思いながら、真昼の後を付けていた。
すると、
「……お兄ちゃん。着いてきてるのは、わかってるから。出てきてよ」
バレていた。
「お前のせいで、父上から捜索命令が下された」
「あは。いつも私をからかってくる罰よ」
「はて、覚えがないな」
くだらない会話をしていた。
その時、真昼が言った。
「一瀬の所に行くの。お兄ちゃんも、来る?」
「……お前、一瀬って」
「わかってる。わかってるから、行ってるの」
犬猿を越えた、宿敵の間柄。
なのに、真昼は一瀬に行っていたという。
「面白そうだな」
「お兄ちゃんなら、わかってくれると思ってた」
「双子だしな」
「はは。そうだね」
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暁の雨 - クッキーさん» ありがとうございます!不潔で面白くないかな、と思いましたが。救いの女神!更新頑張りますね!! (2017年3月11日 10時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
クッキー(プロフ) - とても面白いです!!!!! 更新頑張ってください^_^ (2017年3月10日 19時) (レス) id: e81086d7ab (このIDを非表示/違反報告)
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