第38夜 ページ39
シン「やめてくれ、お嬢さん!」
その人物は、シンドバッドだった。
紅玉「何よあんたッ!!?」
止められたことに腹を立てたのか、鬼の形相でシンドバッドを見る。
だが、その表情はすぐに変わることになる。
紅玉「!?な...何...!?」
シンドバッドが掴んでいる部分から、どんどんと魔装が溶けていく。
シン「お嬢さんは、煌帝国の姫君とお見受けしたが...」
紅玉「.....あ、あなた...誰...!?」
シン「私はシンドバッド。シンドリア国王シンドバッドだ。」
じっと紅玉を見つめるシンドバッドの瞳。恋に落ちる音がした。
『.....あれ、なんか向こうが静かに...?』
アリ「A...?」
異変に気付いた彼女らも、その方向を見つめる。
紅玉「あ.....あなたがあのシンドバッド王...?」
ずっと握られている手に気付いた紅玉。
紅玉「いっ、いつまで握ってんのよ無礼者!!」
『...ツンデレ?』
アリ「やめろA!」
少しの茶番が繰り広げられていた。
シン「失礼、姫君。ただ、私は貴女を止めなくてはならない。お互い身分ある立場、こんな場所で争うべきではありません。」
紅玉「だ...だって...あの子が...!」
紅玉がアラジンを指さす。アラジンはまだ怒っていた。
シン「アラジン、君もここは杖を収めてくれないか。」
アラジンの手は、しっかりと笛を握っていた。
シン「大丈夫だ、“ジン”はこの程度じゃ死なない。君の友人はまだ生きている。」
シンドバッドがアラジンに声をかける。
シン「それに、そんなに激昂してしまって戦うなんて...君らしくもないんじゃないか.....?」
シンドバッドの言葉に、アラジンも杖を収めた。
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作者名:ミカ | 作成日時:2017年9月21日 21時