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てつや ページ35

『まいう棒・・・』



真剣な顔でまいう棒の味を選ぶAさんに少しキュンとしてしまう。



『てつやは買うのきまった?』



「はい。久しぶりに麩菓子を食べます」



『いいね!あとでちょっとちょうだいね』



Aさんは駄菓子を見ると今まで見たこともないくらいいきいきしていることがなんだか意外だった。



「おっ、A!黒子!来てたんかー!」



『あ、ゆうひくんー』



ちょうど学校帰りの千秋さんが来て、荻原さんと楽しげに話し始めた。



「ふーん。そっかそっかあ」



『つーことなわけですよ』



「まーゆっくりしてけよ!な!じぃちゃん!」



「お前もゆっくりして行け!今日は手伝いなんぞいらんからな」



「くぁー、まーたツンデレ発動してら」



はいはいと軽くあしらって千秋さんは僕らの隣に並んで糸引き飴を引いた。



「ほれ、えらんでみろ。ここの糸引きはしょぼくない事で有名だぞ」



『だれに』



「がきんちょ」



しぶしぶ糸を選ぶ僕と荻原さん。せーので糸を引くと出てきたのは



「飴とオレンジ色の指輪!」


「僕も飴と水色の指輪ですね」


『あめと、ぎん色のゆびわ』



三人とも同じ景品だった。大きくて不揃いな形のいちご飴に玩具の指輪。



『きょうの思い出。ふひひ』



指にはめて空に手をかざす荻原さん。僕も同じように指輪をはめてみた。



「黒子指輪に合わないねー!ぷぷぷ」



「・・・」



『ネックレスにしたら?ほら、』


荻原さんが自身の首から取ったネックレスに僕の指輪を通して僕の首から下げた。


『にあう。これあげるよ』


「良いんですか・・・?なんだか高そうなネックレスですが・・・」


『なーんにも。全く同じのあとふたつあるから』


困った顔ではにかむ荻原さん。暖かい日差しが彼女の笑顔をよりいっそう引き立たせた。


透き通るように輝く1粒のダイヤモンドに、僕のおもちゃの指輪。それはまるで荻原さんと僕の関係のようで、嬉しくも寂しくもあった。



────


「気をつけてなー」


『うん』


「はい。今日はありがとうございました。」


荻原さんと駄菓子屋をあとにする。今日は本当に荻原さんの優しさに感謝すべき日だ。


『、ここ、わたしんち。今日たのしかった?』


「はい。荻原さんから勇気を貰える日でした。本当に、ありがとうございます。」


素っ気なくても勇気づけてくれる。荻原さんは本当に不思議で素敵な人だ。

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つゆロロ(プロフ) - あひるさん» ありがとうございます。荻原ちゃんの楽器についてですが、お好きなものを想像してください(笑)私的にはバリトンやユーフォなどの低音楽器をイメージしておりますが。初コメントうれしいです!これからもどうぞ、見守ってくだされば幸いです((*_ _) (2017年11月20日 19時) (レス) id: 3fbfa2c7b2 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!因みに夢主ちゃんの楽器はなんですか? (2017年11月20日 1時) (レス) id: a0a203a011 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つゆロロ | 作成日時:2017年11月7日 0時

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