嫌われたくない ページ3
「静かにしてはもらえないかい……」
「ん? なんだあんさん。」
「少しで良いんだよ? ほんの少し。」
「茶々入れならよしてもらおうか。こっちだって……」
わざわざつっかからなくてもとぼやあと呑気に構していると、いつの間にかヒートアップした一方的な突っかかりで手が出る寸前だった。
……!
頬に一瞬の痛みが走る。そのあとはじんじんと赤くなる。
「大丈夫かい? キミ」
「……ええ……」
「おい、何してやがる! 邪魔してんじゃねえぞ」
「失礼します。…………」「なっ……」
私があのことを伝えると顔面蒼白という言葉がぴったりなくらい顔が青く白くさせ嘘だとでも言いたげな顔だった。
「もっ、申し訳ありません! まさか、この城の方だったとは……! 」
「別に構わない……と言いたいとこだが。今は気分が悪い。」
「特別に、お詫びと言ってはなんですがこの中から1人値引き致しますので……!」
「ふーん。ほんとに良いのかい」
勿論と商売人は縦に顔をふった。
相手は釘を刺すように、ほんとのほんとだねと聞き返した。
用心深いその人はピク、と指先が動いたかと思うと「陣左」と誰かに呼びかけた。
「組頭! あまり外出は控えて下さいと何回も……! 」
と、此方を横目で見たかと思うとコソコソとこの人たちは?と問いただしていた。
問いには、すぐ分かるよ〜と少しすっ飛ばした応えかただった。
"組頭"と呼ばれた人物は此方に向き直り、そうだねと唇に指をあてた。
少しの間、間を置いて振り返り後から来た人にに筆と硯を頼み、帰した。
そしてこっちの方をじっと見たかと思うと
ぽん
「この子を頂こう」
「なっ……!」
いきなりだった。
自分ですら買われると思ってもいなかったものだから。
ただ、
チクリ チク チク チク
「……そいつでしたら十文で構いやしやせんよ」
「何故だい。そこまで醜いのかい?」
「いや、なんでもねえんす。」
「そうかい。ほら十文。……どうしたの」
痛いなあ。他の子達の視線が。
まるで、なんでこいつが。と言いたげな目だった。
そんなこと此方が聞きたかった。
「……、ほら、行くよ」
「あ、」
「なんで……あんな子が」
ああ、女って怖い。
ネチネチしてて、ずっと引っ付いて……
けど、そんな人たちにも嫌われたくないと思う自分がいる。
できるものなら精一杯に歯向かってやりたかった
こんなことになるから……
買われたくなかったのに…………‼︎と……
21人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カナリア(プロフ) - 続き楽しみにしています!更新頑張ってください! (2015年5月31日 20時) (レス) id: 1223570c56 (このIDを非表示/違反報告)
文月 八重(プロフ) - ハイキュー,研磨LOVE☆《*≧∀≦》さん» ありがとうございます!頑張ります(≧∇≦) (2014年12月31日 8時) (レス) id: 4533d9e5f0 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー,研磨LOVE☆《*≧∀≦》 - 面白い!( ☆∀☆)キター続き楽しみにしてます!(* ̄∇ ̄)ノワクワク (2014年12月31日 1時) (レス) id: 7f5409c857 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ