雪雲の上はお日様

異常 ページ2

「あっちい……」
商売人が呟く。
あまり女子供を連れ歩くと色々な人に怪しまれまともに商売が出来なくなることを恐れ、私たちは人通りの少ない道を使う。
それが遠回りだとしても。
これ位で弱音を吐くなど貧弱だ、と思いながらも確かにこの暑さは皐月にしては異常だった。

異常……普段、普通と違う常識外れなこと……。
この異常な天気の下にいるせいか、私もこの天気のように異常な出逢いがあるのではないだろうか。と思ってしまう。

ザッ……
「ここらで良いか……」
縦に並んだ列が一斉に足を止める

「お前ら、太鼓の準備だ‼︎ サッサとしろ‼︎」


トンツクトンツク トン……トン

「よってらっしゃい！ 見てらっしゃい！いい物揃ってるよ！」

ピンと張ったような声でわざとらしく商売文句を言った。
けど、ここまで見に来るような暇な人……いるのか？と疑問に感じながらも大人しく定位置につく。

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