17歳のボーダー隊員の日常

菊地原にだけ ページ36

これは菊地原の師匠をしていた時の話

『ほら！休憩！水分補給！』

「はーい」

ぐだっと横になる先輩に今まで疑問に思っていたことを聞いた

「先輩はむかし戦闘に向いてないって言われてたと
　聞きました。どうして今まで続けて来れたんですか？」

すると先輩の心臓の音が速くなった

その時、聞くんじゃなかったと後悔した

「やっぱり大丈夫で…」

大丈夫だと言おうとすると先輩はいいよと言った

『わたしはねヒーローになりたかったの』

「ヒーロー？」

『そうそう！子供の時からプリキュアじゃなくて
　仮面ライダーとか見てたし。
　だからボーダーに入ったのも正義の味方になりた
　かったの』

それだけ！と言う先輩はとても恥ずかしそうだった

『中学の時にね友達にこれ言ったら変なのって
　言われたの。』

「別に変じゃないと思います」

勝手に口が動いていた

励ましたいわけじゃないでも自信を持って欲しかった

その大切な動機に


「ぼくだってヒーローになりたいと思ったことぐらい
　あるし。人それぞれ理由はあると思うし…
　なんて言うか…」

なんて言えばいいのかと考えながら話していると
先輩がいきなり抱きついてきた

『嬉しい！ありがとう菊地原！』

「え、ぼくまだ…」

『肯定されるだけで嬉しいよ！』



口には出さないけど本当に尊敬した


この人の弟子で良かったと思った


ぼくが悪口を言われればいい返しに言って


風間さんに怒られるのかもしれないのに


必死に怒ってくれた


だから決めた


いつかこの人に何かあったらぼくが守ると


なんでも言い返してやる


みんなに毒舌だとか言われてるからね


得意だから


だから頼ってね




A先輩

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