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ページ48

二人の息子。
腕の中でスヤスヤと眠るグロウとセレーナの子、Aの温もりを感じる。
子を抱くのはこれが初めてでは無いが、赤子の体温は暖炉よりも心地よい。
わしは日光が苦手でグロウの宅へ訪ねるのは夜ばかり。
案の定、Aは眠っておる。
夜泣きで苦労してるかを問うとグロウは首を横に振った。
Aはおとなしめの性格かもしれん。
揺籠で眠る子の頬をそっと触る。
すると顔を縮むよう歪ませる。
拙いと思い、離したが不思議と金切り声を上げない。

一般の人の赤子は感情の起伏が激しいと言うのに、Aは落ち着いていた。
グロウの血を受け継いでいるからか、夜泣きはあまりせずに静かだ。

そんなAも成長してシルバーとセベクの友になっている。
「マレウス・ドラコニア、リリア・ヴァンルージュ。」とAは出会った時よりも少し低い声で呼ぶ。
「頼み事があります。」と真剣そうに言う。
何か重要そうだから耳を傾けてやろう。




「友達になってください。」
時が少し遅く感じる。
「構わんよ、しかし何故じゃ?」
当たり前のようにAは言った。
「好きだからですよ。」

ああ、隠さずに伝える所はセレーナによく似てる。
セレーナは終わりが近い時、不安そうな顔をした。
Aをこれ以上育てられない事、別れてしまう事。
嘆く中でセレーナはAと向き合い、立派に育つように言った。

強く優しい子じゃった。
マレウスは友となるのを許容した。

セレーナの代わりに出来る事は昔話程度だ。
グロウから最近のAの事について聞いている。
魔法に強く関心があり、よく呪文を言っていると。
薔薇の王国で母親の教育を注意して、新しく友達を得たと。
夕焼けの草原で革命が起こり、友達を得たと。
嘆きの島で友達を得たと。


Aは多くの友を得て、色んな話やゲームをしている。
惹きつけて止まないのは彼の性格故であろう。

だがのう…

やぁ、久しぶりだね。A。』

Aは後ろから声をかけた主に「久しぶりですね。」と言った。


「誰じゃ、お主は。」と散歩中に現れた理知的で黒髪と黒目をした男を見て言った。
Aは「彼は知り合いです。」と紹介しようとするが、わしはAの腕を強く引っ張る。
だが、もう片方の腕は男が握っている。

「リリア?」とAは振り返る。
男はニッコリして「こんにちは、少年。」と言うが、掴む手は緩めない。

勘が「早急に立ち去らなければならない」と言った。

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設定タグ:転生 , 救済   
作品ジャンル:ファンタジー
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たろ。(プロフ) - パ、パ、パ、パパぁ!!!!! (2022年7月7日 15時) (レス) @page9 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柳玲霊鑑 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/be moon  
作成日時:2021年11月28日 19時

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