【歌い手】ヤンキー少女、拾いました。【luz】

第1話 ページ3

Aside

今日も人を殴った…。


昨日も、一昨日も…


産まれて、育って、両親と兄妹が死んで、私は独りで暴れることを覚えた。


ヤクザ1「お前が赤眼の死神か？」

ヤクザ2「なんだよ、ガキじゃねぇか。」

ヤクザ3「こんなガキ相手にアイツら負けてんのかよ。しょぼww」

ヤクザ4「ほぉらお嬢ちゃ〜ん？お兄さんご相手してあg(((ゴッ！！！」


こいつらも…どうせ一瞬で終わる…。


気がつけば、周りは血を流し、腹を抱えて苦しそうにしているヤクザ共。


やっぱり、弱い…。


私はトンネルの壁にもたれるかかり、そのままうずくまる…。


？「うわぁ…凄いな…」


誰だ。


？「なぁ君、大丈夫？」


話しかけるな…。


？「血ぃ出とるよ？」

「ﾁｯ……」


放っておいて…


どうせ貴方も逃げていく。


？「顔上げて？」


黙って顔を上げた。


人の反応になんて期待しない。


？「綺麗やね。」

「は？」


初めてだ…。


？「僕、黒川 光。僕の友達にもな、君みたいなアルビノの子居るんよ。」

「アル…ビノ…」


私の病気…。


l「僕のアルビノの友達よりも、綺麗な赤やね。」

「お世辞。」

l「本心やよ。なぁ、僕の家においでぇや？」


そう言って、私に手を差し出して来た。


私は無意識にその人の手を取り、一緒にその人の家に行った。


その人の手は、昔の父の手のように、とても暖かかった。


l「あ、せや。君の名前は？家族は？」

「A。家族は数年前に死んだ。」

l「さよか…。あ、ここで住むんは？」

「ここで？」

l「僕1人暮しやし、時々友達は来るけど、賑やかでええ人たちやよ。」


頬をかいて、楽しそうに語る光さん。


l「それに、君を放っておけへん。」

「私を？」

l「そ。Aちゃんには、喧嘩以外にも教えなあかんことたくさんあるから。」

「それだけか？」

l「女の子1人でトンネルに置いていけるわけないやろ！とりあえず、お風呂入って来ぃ？」


お風呂場に案内され、黙って入る。


久しぶりのお風呂…。


いつの間にかできていた身体中の傷に、水が沁みてヒリヒリする。


l「Aちゃん。着替えここにおいとくで？」

「分かった。」


お風呂から上がり、光さんの服を着る。


ズボンデカい…。いいか←


「光さん…。」

l「ん〜？ん"！？ｺﾞﾎｯ、ｴ"ｯﾎ！！」


振り向いて私を見た瞬間に、飲んでいたコーヒーにむせた。


l「なんでそないな格好！？」

「ズボンは流石にデカかった。」

l「あ、あぁ…。」

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