96 胃袋の危機 ページ48
「・・・これは・・・。」
グラジオが、私の目の前にある、マオの作ったZ定食スペシャルをチラ見。
「さっきの子が作ってくれた定食なの・・・Z定食スペシャル。・・・食べる？」
グラジオも、そのZ定食から漂う何とも言えない香りに、顎に手を置きながら眉を潜めているわ。
「・・・いや。オマエのだろ。」
うぅぅ・・・。やっぱり食べてくれるワケないよね・・・。
グラジオは、手に持っていた中身の見えない袋をテーブルの隅に置いて、私のすぐ横に来た。
冷たい手を私の額に当てて。
「熱、無いな。」
って。
ひゃあぁ、好きな人におでこ触られるなんて！今ので熱出ました！！
グラジオは、テーブルを挟んで反対側にある椅子を私の隣に寄せて、座った。
「どうして家がここだって分かったの？」
「モーテルの支配人に、オマエの家がここだと聞いてな。」
お、おばさん・・・グラジオに私の家、教えたの！？管理責任者なのに個人情報漏洩なんて・・・！ま、まあいいか・・・グラジオになら、バレても・・・。
でも、私は家族の用事があるから帰るって話してるのに・・・もしかして、嘘付いたこと、バレちゃったのかしら・・・。
「おばさん、何か言ってた・・・？」
「・・・オマエが家族と会っているから、ここへ来ても、オレに構っていられないだろうとは言われた。」
・・・よ、良かった、おばさんには、何もバレていないのね？
マオが玄関から顔を出したとき、グラジオは一瞬家を間違えたと思ったんだって。私に兄弟が居ないこと、知ってるからね。でも、マオがさっきの私の恋愛話を聞いていたから、きっとこの人だって、お部屋に通してくれたみたい。
良かった、マオにグラジオのこと話してて・・・。
「でも、折角グラジオの風邪が治ってきたのに、これじゃ移し合いになっちゃうよ。グラジオはもう平気・・・って、ねえ何してるの・・・？」
グラジオが真顔で、スプーンを持って、Z定食スペシャルの、どろどろのスープをすくって、
私に食べさせようとしてる・・・！
「ちょっと、ま、待ってよ！！」
「食欲、あるよな？」
「な、なっ、無いっ！！」
裏切るように、ぐぅーーーっと鳴る、私のお腹。
「鳴ってるぞ・・・。」
グラジオ、絶対Z定食スペシャルが想像を絶する味だって、分かっててやってるでしょう！？
「早く良くなるためだ。」
い、いやっ・・・！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カーター(プロフ) - 紅月さん» 続編のお祝い、応援ありがとうございます！いえもう、沢山の方に読んでいただけて、私も本当に恵まれています！今後も楽しく、執筆更新頑張ります！ (2017年2月14日 23時) (
レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - もっと評価されるべき小説だ...((続編おめでとうございます!)) (2017年2月14日 22時) (レス) id: db4044f600 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - かあかさん» ありがとうございますー！ (2017年2月12日 0時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
かあか - 楽しみ！ (2017年2月12日 0時) (携帯から) (レス) id: 56d5161cd7 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - ななさん» ご感想ありがとうございます！実際『仲良し』になると、グラジオどうなるんでしょうね！？（笑）今回は捏造臭さ覚悟で、仲良い人にしか見せなさそうな一面を描いてみました！続編移行後も、是非お楽しみください！ (2017年2月7日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カーター | 作成日時：2017年1月14日 18時
